ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ロジャー・ゼラズニイ「キャメロット最後の守護者」

 

 神保町ブックフェスティバルに出かけて@ワンダーで買ってきた一冊。amazonの書影がさすがにアレなんでこちらには自分で画像を上げてみるか…

 

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イラストはセクシーな女性型ロボットでおなじみ空山基画伯で、めずらしくオッサンを描いている。それも時代というものかな。時代、同時代、当時の当事者性…そんなことをもやもや考えながら読んでいました。たとえどれほど遠く隔たった時代なり世界なりを舞台にしていても、あらゆる文芸作品はそれが書かれた時代に属するものである。当たり前の話だけれどね。しかしこの感覚は「虚ろなる十月の夜に」を読んだ時(http://abogard.hatenadiary.jp/entry/2017/10/29/143624)とは正反対の読後感だ。人間なんだからそんなもんだな(笑)

いまはこういう話を書けないだろうなあ、と思う。いや本当は書けるのだろうけれど、いまこういう話を書くとこういう形にはならないんだろうなと、そういう意味ではこの本に収められた珠玉の作品群はそれらが執筆された1690年代から70年代の末、あるいは刊行が成された1984年に属しているんだろうなあ。自分にとっては1930年代のスペースオペラよりはずっと身近で、重なるとはいえちょっと背伸びして手も高く上げないと届かないところにある。なんかそういう感覚を楽しんだような気がします。

表題作「キャメロット最後の守護者」は現代まで生き永らえたランスロットが、同じく現代に甦ったアーサー王時代のとある人物と戦い真に聖杯を得るストーリーで、一番最初の映画「ハイランダー/悪魔の戦士」が好きならきっと染みる。むしろ映画はこの小説を下敷きにしてたんじゃないかと思わせるような、ひとりの戦士が永劫の時を経て遂に救済を手に入れる。しみじみと良い話です。そのほかにも中短篇傑作ぞろいで、「異端車」「血と塵のゲーム」「復讐の女神」など印象に残るタイトルを上げて行けばそのまま目次が出来てしまう(笑)そのなかでもなお一層、強く強く心に残るのは「フロストとベータ」だ。

 

ここからちょっとキモい話を書きますね

 

 読書に興が乗って、本当に乗り過ぎると登場人物に勝手に声優をキャスティングする病気があって、「フロストとベータ」ではそれが再発した。実は初読時(http://abogard.hatenadiary.jp/entry/2018/02/06/203437)既に発症していたんだけれど、そのときは我慢して書かなかったのね。今回再読して居ても立っても居られなかったんでもう書いてしまいます書いちゃうぞ

 

フロスト:浅沼晋太郎

ベータ:花澤香菜

モーデル:吉野裕行

ソルコン:坪井智浩

ディヴコン:松本保典

 

ゼーガペインなんだよ、つまり。

 

鉱石破砕機のキャスティングだけいい案が浮かんでこないんだけど、立木文彦さんでどうでしょうか、ダメでしょうか。