ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

むらかわみちお「ガールズ&パンツァー 樅の木と鉄の羽の魔女」上巻

ガールズ&パンツァー 樅の木と鉄の羽の魔女 上 (MFC)

ガールズ&パンツァー 樅の木と鉄の羽の魔女 上 (MFC)

 

 ガルパンのいわゆるスピンオフ作品の中でも極めて異色の一作。絵柄からなにから異色というか異質で、原典との大きな違いに受け付けない人も居るかもしれない…ぶっちゃけ別のマンガではあるんだけれど、考えてみれば「リボンの武者」だって別のマンガだし、あんま気にしない方が宜しい。

名前だけ設定されて映像本編には未登場の伯爵高校(ルーマニアがモデル)の戦車道チーム*1、小檜山野咲(こひやまのえみ)を主人公に描いたもの。タイトルにもあるように「魔女」に大きく焦点が当てられて…というようなお話。展開としてはサンダース校との練習試合を軸に随時回想シーンを差し込んでいくようなかたちで、Comic Walker でウェブ連載 読んでるときには一回あたりのページ数が少ないこともあってかなり断片的に見ていた内容を、単行本でまとめて読むとやっぱり違うものですね。第14話の魔女先輩カラーページに釣られて良かったな(笑)

キャラも戦車も背景も丁寧に描き込まれ、特に頭身の高いプロポーションで描かれるキャラクターは所作や服飾含めてセクシーでヨシ!その辺はベテランの技か。「説明」の少ない構成なのでよくよく注意しないとうっかり読み落とすところもあるのね。野咲の戦車(III号N型)が車体機銃手欠員の4名で運用されてるのに初めて気が付いたぞw

この上巻は13話まで、野咲のIII号が損傷し伯爵高校チームが「カルシャリ」を踊り出すところまでの収録で、いよいよ伯爵側が本領を発揮しはじめる(であろう)後半にも期待が寄せられます。戦術構成についてはおなじみ才谷屋龍一先生が補佐しているそうなのだけれど、対戦相手にサンダースを選んだのはどちらの発案なんでしょうね?ケイ・ナオミ・アリサ3人の役割分担(特にコミックリリーフとしてのアリサの役割)がハッキリ分かれていて扱いやすく、また適度に強力なチームでもある。黒森峰でも聖グロでも、こういう役をやらせるのは難しいんじゃなかろうか。シャーマンばっかで描きやすいからでは?という当然の疑問はさておき。

 

ところで伯爵高校チームの戦車編成はIV号長砲身(H型と思われる)×1、III号戦車N型×2、III号突撃砲G型×1に加えてルーマニア国産のマレシャル駆逐戦車×1と車格にも火力にも優れた戦車が多く、その他の基幹車輛もLT-38/35戦車*2とエラく強力な布陣なんだけど、なんでこれで全国大会不参加なんだろうわらい。というのは突っ込んだらいけないところなのか、あるいは伏線があるのか…?

どっちにせよ以前対戦しているアンツィオ高校相手には楽勝だったと思われるw

*1:ちなみに部活である

*2:要は38(t)と35(t)戦車だ