公式。この作品を知ったきっかけはちょっと遡る。2019年というからもう5年も前か。東京都瑞穂町の郷土資料館けやき館で開催された、特別展「特撮造形師村瀬継蔵 ~瑞穂でうまれた怪獣たち~」というのを、たしか入場無料に惹かれて見に行ったら、過去の資料に混じって構想中の新作としてイラストボードか何かの展示があったのね。そのときは果たしてこれちゃんと完成するんだろうかと疑問はあったんだけど、昭和10年生まれで自分の父親と同い年の方がまだまだ現役で創作活動を行うことに感銘を受けて、ブロマイドにサイン貰いがてらささやかな声援を送りました。
それからしばらく過ぎて、実は全く忘れていたんだけれど(汗)映画の完成と公開の報を聴いた時には、是非見に行かねば!と固く誓ったものです。
そして今日拝見して、いろいろ複雑な感想を抱く(笑) パンフも読んでなるほどご自身の人生にいろいろあったことの集大成みたいな作品なんだなーというのはよくわかりました。操演を駆使したミニチュア特撮は楽しいし、ヒロインの朱莉を演じた鈴木梨央さんは可愛い。陽の目を見ずに失われつつあるプロットを現世に繋ぎ止めておくために心象風景を旅するというのも悪くない。けれど総監督ご自身が「子どもに見てほしい」といってる映画で釈由美子とマンホールとか樋口真嗣が樋口真嗣で出てくるとか、旅のパートナーがいささか鬱陶しい特撮オタク少年だという、マニアのオッサン向けみたいなギミック仕込むのは……
正直どうかと思う(´・ω・`)
これクラファンとかやってたのね。支援すればよかったねえ。まあ温泉シャークにやったから勘弁してください。しかし2019年に見たストーリーはもちょっと和風神話みたいな印象を受けたけれど、撮影禁止物だったからいまいち記憶に信頼がない……
死別した祖父を理解し今後も遺品を保管していこうというラストは現在の須賀川とかアニメ特撮アーカイブ機構とか、あのへんの活動に寄り添うものでイマドキではありますね。そしてふと思い出す。自分の高校は隣が映画の撮影所で(どうも昔はガメラを撮っていたらしい)、いちど文化祭に使うベニヤ板を受け取りに中に入ったことがあるのだけれど、案内してくれた職員の方がスタジオの入り口ではさっと手を伸ばして遮って、ここから先は立ち入り禁止と示してくれました。
教訓:みだりに子供が入ってくるような環境を「現場」にしてはいけない(´・ω・`)