文庫になるという話を聞くまで存在を知らなかった一冊💦どうも米澤穂信関連のアンテナ低いなあ自分。
作家米澤穂信が様々な媒体に発表したエッセイや対談などを集めたもので、畢竟テーマは本、小説についてのものとなります。一読して、なるほど博覧な人だなあと思わされる。濃いなあって。数多の小説作品を読んで得た知識や見識が、自身の作品を強記するのでしょうね。たくさん読めばよいものが書けるというほど世の中単純ではないにしろ、読まないよりは読んだ方がいい。時間も潰せる。
自分はミステリー畑には門外漢もいいところで、特に日本の古典ともいうべき名作は全然読んでないんだなあと身につまされもします(笑)魅力的なタイトルがいくつも紹介され食指が伸びる反面、それらがいま入手可能かどうかといった書誌情報はあまり記されていない(冒頭でなぜそうしたのかは解説されています)から、まあ書物の大海に潜るしかありますまいね。
そういう内容だからこそ、自分のよく知ってる本、好きな一冊が俎上に上がると嬉しくなります。あとこのひと、一時期結構近所に住んでたみたいで急に親近感が湧いたり、「さよなら駐車妖精」読んでたんだと知ったりでちょっとふふってなりました。
いくつか読みたいタイトルを記録しておきます
・山田風太郎「明治断頭台」
・E.L.カーニズバーグ「クローディアの秘密」
それと「さよなら妖精」が創元推理文庫入りするにあたって、如何にして英題を考えたかについての一節にたいへん感銘を受けました。作品に対するそういう態度が、作品そのものを昇華させていくのでしょうね。自分の創元推理文庫が原題だけでなく国内作品にも英題付すのが好きで、むかしはちょっと真似したりもしました。まあTVシリーズエヴァの真似でもあるのだが。