POWER!
UNLIMETED POWER!!
なんかそんな感じですよ(´・ω・`)ノ
著者初の短編集。5本中3本は既読だったけれど、表題作「すべての原付の光」をSFマガジンで読んだときの興奮と感動はよく覚えていました。バリントン・J・ベイリーの「ゴッド・ガン」をいやおうもなく思い出させられる神殺しの主題を、滋賀県のヤンキー暴走族を軸に据えて得体のしれない機械をガジェットに、猥雑極まりない物語がクールでパワフルな筆致で綴られていく。
ワイドスクリーン・バロックをやるのに何も広大な宇宙に出ていく必要はないんだ。日本の片田舎を舞台にしても、そういうモノは書けるんだ。特筆すべきはルビ芸で「強奪する」に「ジャイアンする」って振ってあるの最高( ˘ω˘ )
「ショッピング・エクスプロージョン」「ドストピア」の2本はそれぞれ他のアンソロジーで読んでいたけれど、同じ著者、同じスタイルの作品の流れに配置された方がより一層力強く読めるように感じました。特に「ドストピア」はこれ「ポストコロナのSF」に載ってたんだけど、あんまりコロナ関係ない話なんだよな……
未読だった「竜頭」がやはり力強い話で、これもまた滋賀県とジモティーをテーマにした話で、そして初出をチェックすると最新作からどんどん遡っていくような配置になっていて、では最初の一歩には何が書いてあるのか?作家天沢時生のルーツ的なものがあったりするんだろうか?などと意気込んでページを捲ると「ラゴス生体都市」はなんとまあナイジェリアを舞台にした物語だった。
そして、
POWER!
UNLIMETED POWER!!
やはり力強い話だった。
クールでパワフルな筆致、文体。スタイリッシュなルビ使い。たとえ何処の誰を扱おうが根底にある主題は共通するものであり、言葉に出来ない「何か」に魂は震わされるのだろう。アフリカ生まれじゃなくとも、アフリカのお話を書いていいのだ。そこにはたいへん勇気づけられる。そしてとりわけ、ラストシーンでひとつのセンテンスが繰り返しリフレインされる様はまるで詩を、歌を聴いているかのようで驚かされました。
面白かったぞ!!!!
