ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

山岸真 編「スティーヴ・フィーヴァー」

スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)

スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)

「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」*1「ここがウィネトカなら、きみはジュディ」*2に続くSFマガジン創刊50周年記念アンソロジー第三段は「ポストヒューマンSF傑作選」ということでポストヒューマンとはなんぞや。


死体から制服剥いで公務員に化けるヤツだな。ケビン・コスナー主演映画になったからわかる。


それはポストマンだよ!

などと氷河期のようなことを嘯きつつ、人類の変容と意識の変化を描いた作品集とのことで実は当初こ小難しくてよくワカラン現代SFばかりじゃなかろうかと不安に思っていました。実際に読んでみたら思いのほか古い作品もあったりで古い頭でも十分に楽しめる。

存在の在り方がどれほど変化しても人間性は普遍に在り続ける、というような内容を夫婦愛で描いた作品が多くて「時間」は重大な要素なんだなぁと思ったり。ティーンズではこうはいかないものかな。チャールズ・ストロス「ローグ・ファーム」を読んでたら手塚治虫の「火の鳥」宇宙編だったかで植物に変容して長命を得、幼子を育て続ける選択をしたヒロインを思い出したり、ロバート・チャールズ・ウィルスン「技術の結晶」ではナツカシのOVA「A.D.POLICE」のどれかに「そして私は、ひとつ人間を捨てた」で終わるサイボーグものがあったりしたなぁともうね、マンガとアニメしか浮かんでこないのはね、どうにかならないのかとああでもディヴィット・マルセク「ウェディング・アルバム」とかデイヴィッド・ブリン有意水準の石」なんかは実にゼーガペインですねえ…

平成の仮面ライダーが機械的外科手術によるサイボーグでは無くなったのは、現実の医療技術が進歩したおかげで「改造人間すなわちバケモノ」の図式が差別表現になりかねないからだとか聞いたのは、ありゃどこまで本当なんだろう???