ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

2024-01-01から1年間の記事一覧

今年の一番について考える

毎年恒例なんですが、今年は最後の最後にインフルエンザウィルスをインプットしたので、ちょっと色々駆け足です。来年の目標は「予防接種はちゃんと打つ」です ・本 今年の一番の本はやっぱりね、池澤春菜「わたしは孤独な星のように」です。長年ずっと幅広…

九頭見 灯火編「東京銀経社アンソロジー いつかあの空を越えて」

(現状では既に完売しています) 誤植を訂正し新規カバー画に差し替えた第二版が準備中です。またPDF版がDL販売されています。若干お買い得です。詳しくはこちらを。 全16本の作品からなるアンソロジー。Web上で公募があって、縁あって自作「セリとナズナと…

日本SF作家クラブ 編「AIとSF2」

AIとSF2 (ハヤカワ文庫JA) 早川書房 Amazon 「AIとSF」に続く第2弾。日本SF作家クラブ編の、このアンソロジーのシリーズとしては5冊目になるんだけれど「地球へのSF」まだ読んでません(´・ω・`) abogard.hatenadiary.jp 以下、掲載順ではなく読んだ順で…

森薫「乙嫁語り」15巻

乙嫁語り 15巻 (青騎士コミックス) 作者:森 薫 KADOKAWA Amazon スミスくんトルキスタンから里帰りに嫁さん連れ帰ったら実家のママン大激怒で田舎で家借りて羊飼いをはじめる(奥さんが)回。 その時々でスミスとタラスに関わった人々が少しずつ幸せになって…

川村拓「事情を知らない転校生がグイグイくる。」⑲

事情を知らない転校生がグイグイくる。 19巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER) 作者:川村拓 スクウェア・エニックス Amazon 玉砕する笠原さん可愛い。 水口くんが安直なジャッカルムーブメントを決めなくて、そこはよかった。 これで修学旅行編もおしま…

逢坂冬馬「歌われなかった海賊へ」

歌われなかった海賊へ 作者:逢坂 冬馬 早川書房 Amazon ううううううううううん、前作「同志少女よ、敵を撃て」に比べるとどうも全般、 ぬるくね? とは思う。 abogard.hatenadiary.jp 戦時下ドイツの青少年による反体制行為を描いた作品としては佐藤亜紀の…

柴田勝家「走馬灯のセトリは考えておいて」

走馬灯のセトリは考えておいて (ハヤカワ文庫JA) 作者:柴田 勝家 早川書房 Amazon 神保町ブックフェスティバルで購入のサイン本。6本中2本は既読で、表題作は読む前に「世にも奇妙な物語」でドラマ化したのを見ている。柴田勝家という作家はアイマスのVRでヴ…

武若雅哉「陸上自衛隊74式戦車のすべて」

陸上自衛隊74式戦車のすべて 作者:武若雅哉 大日本絵画 Amazon エロ本です。 というわけで74式戦車の隅から隅まであんなところもこんなところもどんどん見せちゃう魅惑の一冊。いやー、これまで車体内部は試作車輛(且つ用廃されて展示車輛になってる)STB-5…

三嶋与夢「俺は星間国家の悪徳領主!」1

俺は星間国家の悪徳領主! 1 (オーバーラップ文庫) 作者:三嶋与夢 オーバーラップ Amazon 来年アニメ化されるとかで、とりあえず読んでみる。 以前ツイッターの方で本格ファンタジー論争とかいう不毛な大喜利が弄ばれていた時に、「世の中銀英伝を本格ファン…

柿谷哲也「知られざる潜水艦の秘密」

知られざる潜水艦の秘密 海中に潜んで敵を待ち受ける海の一匹狼 (サイエンス・アイ新書) 作者:柿谷 哲也 SBクリエイティブ Amazon 当方の潜水艦の知識も相当錆びついているので、何か簡単に学べるものを……と思って読んでみる。潜水艦の歴史から現代の潜水艦…

辻村深月「小説 映画 ドラえもん のび太の月面探査記」

小説「映画 ドラえもん のび太の月面探査記」 作者:藤子・F・ 不二雄,辻村深月 小学館 Amazon 映画のノベライズだけど、映画もマンガも見ていませんというか、そもそも最近の映画ドラえもんに「原作マンガ」ってあるのかどうかすら知らない。月面の様相を簡…

バリー・B・ロングイヤー ディビット・ジェロルド「映画小説 第5惑星」

第五惑星 (講談社X文庫 42-1) 作者:バリー B.ロングイヤー,デイビッド D.ジェラルド 講談社 Amazon Amazonの登録では何故か第「五」惑星になっている、ようやく探し当てた講談社X文庫版です。いや長かったねえ。原作「わが友なる敵」の感想はこちらに。 abog…

太田忠司「おまえは生きなければならない」

おまえは生きなければならない (徳間文庫) 作者:太田忠司 徳間書店 Amazon 狩野俊介シリーズ以外の太田忠司の小説読むのも久しぶり。狩野俊介シリーズが微妙に現代とは異なる風俗の異世界を舞台にしているのに対し、こちらは完全に現代日本を舞台にした作品…

伴名錬 編「新しい世界を生きるための14のSF」

新しい世界を生きるための14のSF (ハヤカワ文庫JA) 早川書房 Amazon なかなか判断に困る。2年前に刊行された、その時点ではまだ単著を刊行していない作家で、「五年後とか十年後とか、書き手たちがそれぞれSF短篇集なりSF長編なり刊行して知名度が高まっ…

SFマガジン2024年10月号

SFマガジン 2024年 10 月号 [雑誌] 早川書房 Amazon 「ファッション&美容SF」特集。ファッションSFでも美容SFでもなく、この2つをセットにしたことで深みが増すのだろうな、と思う。服飾と美は様々な切り口に対応し得る。 分かる話と分からない話に差があり…

バリントン・J・ベイリー「カエアンの聖衣」

カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) 作者:バリントン J ベイリー 早川書房 Amazon 10代の頃に読んで、いずれ読み直したいなーと思っていた作品を、SFマガジンがファッションSF特集やるというので読む。なおamazonが出してるのは大森望による新訳版…

「ゼーガペインSTA」見てきました

公式。いやー、ADPからもう8年経ってたのね。以下ネタバレにつき隠す

チャールズ・ディケンズ他 夏来健次編訳「英国クリスマス幽霊譚傑作集」

英国クリスマス幽霊譚傑作集 (創元推理文庫) 作者:チャールズ・ディケンズほか 東京創元社 Amazon 夏はホラーだろ!ということで読んでみる。うん、普通に季節外れだ(´・ω・`) さすがに150年ぐらい前のお話ばかりだからねえ、古いものです。そういうのを現代…

高島雄哉「ホロニック:ガール」

ホロニック:ガール (創元SF文庫) 作者:高島 雄哉 東京創元社 Amazon ところで、カミナギは俺の嫁なわけですがみなさん、「エンタングル:ガール」に続くこの高島雄哉版ゼーガペインスピンオフ小説「ホロニック:ガール」では俺の嫁大活躍ですよついにネ申で…

「カミノフデ~怪獣たちのいる島~」見てきました

公式。この作品を知ったきっかけはちょっと遡る。2019年というからもう5年も前か。東京都瑞穂町の郷土資料館けやき館で開催された、特別展「特撮造形師村瀬継蔵 ~瑞穂でうまれた怪獣たち~」というのを、たしか入場無料に惹かれて見に行ったら、過去の資料…

川村拓「事情を知らない転校生がグイグイくる。」⑱

事情を知らない転校生がグイグイくる。 18巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER) 作者:川村拓 スクウェア・エニックス Amazon 引き続き修学旅行編。高田くんと西村さんが出来上がり過ぎにも程があるので(とはいえ意識の目覚めはあったりするけど)、今回…

アガサ・クリスティー「終わりなき夜に生まれつく」

終りなき夜に生れつく (クリスティー文庫) 作者:アガサ ・クリスティー,矢沢 聖子 早川書房 Amazon 先に書いてしまうと合わなかった。原著は1967年刊行ということでかなり晩年の作品。さすがに絶頂期の輝きは、やはり失われてしまうのでしょうね。ミステリー…

松田未来・※Kome「夜光雲のサリッサ 12」

夜光雲のサリッサ(12)<完全版> (RYU COMICS) 作者:松田未来,※Kome 徳間書店(リュウコミックス) Amazon 最終決戦、継続中です。マムとカウシカの直接対決、ダンクと忍による天宮への上陸と「人間」に焦点が絞られていくとメカニック(この場合は戦闘機です…

石ノ森章太郎 原作「サイボーグ009トリビュート」

サイボーグ009トリビュート (河出文庫 い 42-2) 作者:石ノ森 章太郎 河出書房新社 Amazon サイボーグ009誕生60周年記念の一環として刊行された9人の作家による9本の小説作品を収めた短編集。この本の話を初めて聞いた時に、なぜか頭に浮かんだのは「アイアン…

「温泉シャーク」見てきました

公式。 いい感じにサメ映画でした。サメは自由だね。正味70分と短い作品だけど、中だるみもなく終始変なテンションで進んで、それが良かった。料金2000円とパンフレットは2200円もしたけど、これも御祝儀だな、うむ。クラファンやっておいてよかった。エンド…

ケン・リュウ「紙の動物園」

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者:ケン リュウ 早川書房 Amazon 「古典SFにはリリカルな話がよくあるけれど、最近の人はそういうの書くんだろうか?」みたいなことをツイートしたらこちらを勧められて、読む。面白かった。 「もののあはれ」だけ…

日本SF作家クラブ 編「AIとSF」

AIとSF (ハヤカワ文庫JA) 早川書房 Amazon 「ポストコロナのSF」「2084年のSF」につづくアンソロジー第3巻。テーマはAI。 abogard.hatenadiary.jp abogard.hatenadiary.jp 刊行からしばらく手を出していなかったのは、「2084年のSF」の時ほど丁寧に読め…

エドガー・ライス・バローズ「[新版]火星のプリンセス」

火星のプリンセス (創元SF文庫) 作者:エドガー・ライス バローズ 東京創元社 Amazon なんとなく手に取ってみる。子どもの頃ジュブナイル版は読んでいたがほとんど記憶はない(かろうじて八本脚の火星馬が「ソート」という名前だったことは憶えている)。東…

ロバート・F・ヤング「時をとめた少女」

時をとめた少女 (ハヤカワ文庫SF) 作者:ロバート・F・ヤング 早川書房 Amazon てっきり河出で出てたやつの文庫化か何かだと思ってスルーしてたら日本オリジナルの短編集だったんですね。「妖精の棲む樹」は先日「黒い破壊者」で読んだばかりだったんでそこは…

人間六度「スター・シェイカー」

スター・シェイカー (ハヤカワ文庫JA) 作者:人間 六度 早川書房 Amazon 肉体はジャンクションだ! (大声で叫ぶ) やー面白かった。すげー面白かった。「テレポート」というSFでも相当古典的な題材*1を使ってこんなに新しい、こんなに雄大な物語を構築するこ…