2024-01-01から1年間の記事一覧
新しい世界を生きるための14のSF (ハヤカワ文庫JA) 早川書房 Amazon なかなか判断に困る。2年前に刊行された、その時点ではまだ単著を刊行していない作家で、「五年後とか十年後とか、書き手たちがそれぞれSF短篇集なりSF長編なり刊行して知名度が高まっ…
SFマガジン 2024年 10 月号 [雑誌] 早川書房 Amazon 「ファッション&美容SF」特集。ファッションSFでも美容SFでもなく、この2つをセットにしたことで深みが増すのだろうな、と思う。服飾と美は様々な切り口に対応し得る。 分かる話と分からない話に差があり…
カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) 作者:バリントン J ベイリー 早川書房 Amazon 10代の頃に読んで、いずれ読み直したいなーと思っていた作品を、SFマガジンがファッションSF特集やるというので読む。なおamazonが出してるのは大森望による新訳版…
公式。いやー、ADPからもう8年経ってたのね。以下ネタバレにつき隠す
英国クリスマス幽霊譚傑作集 (創元推理文庫) 作者:チャールズ・ディケンズほか 東京創元社 Amazon 夏はホラーだろ!ということで読んでみる。うん、普通に季節外れだ(´・ω・`) さすがに150年ぐらい前のお話ばかりだからねえ、古いものです。そういうのを現代…
ホロニック:ガール (創元SF文庫) 作者:高島 雄哉 東京創元社 Amazon ところで、カミナギは俺の嫁なわけですがみなさん、「エンタングル:ガール」に続くこの高島雄哉版ゼーガペインスピンオフ小説「ホロニック:ガール」では俺の嫁大活躍ですよついにネ申で…
公式。この作品を知ったきっかけはちょっと遡る。2019年というからもう5年も前か。東京都瑞穂町の郷土資料館けやき館で開催された、特別展「特撮造形師村瀬継蔵 ~瑞穂でうまれた怪獣たち~」というのを、たしか入場無料に惹かれて見に行ったら、過去の資料…
事情を知らない転校生がグイグイくる。 18巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER) 作者:川村拓 スクウェア・エニックス Amazon 引き続き修学旅行編。高田くんと西村さんが出来上がり過ぎにも程があるので(とはいえ意識の目覚めはあったりするけど)、今回…
終りなき夜に生れつく (クリスティー文庫) 作者:アガサ ・クリスティー,矢沢 聖子 早川書房 Amazon 先に書いてしまうと合わなかった。原著は1967年刊行ということでかなり晩年の作品。さすがに絶頂期の輝きは、やはり失われてしまうのでしょうね。ミステリー…
夜光雲のサリッサ(12)<完全版> (RYU COMICS) 作者:松田未来,※Kome 徳間書店(リュウコミックス) Amazon 最終決戦、継続中です。マムとカウシカの直接対決、ダンクと忍による天宮への上陸と「人間」に焦点が絞られていくとメカニック(この場合は戦闘機です…
サイボーグ009トリビュート (河出文庫 い 42-2) 作者:石ノ森 章太郎 河出書房新社 Amazon サイボーグ009誕生60周年記念の一環として刊行された9人の作家による9本の小説作品を収めた短編集。この本の話を初めて聞いた時に、なぜか頭に浮かんだのは「アイアン…
公式。 いい感じにサメ映画でした。サメは自由だね。正味70分と短い作品だけど、中だるみもなく終始変なテンションで進んで、それが良かった。料金2000円とパンフレットは2200円もしたけど、これも御祝儀だな、うむ。クラファンやっておいてよかった。エンド…
紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者:ケン リュウ 早川書房 Amazon 「古典SFにはリリカルな話がよくあるけれど、最近の人はそういうの書くんだろうか?」みたいなことをツイートしたらこちらを勧められて、読む。面白かった。 「もののあはれ」だけ…
AIとSF (ハヤカワ文庫JA) 早川書房 Amazon 「ポストコロナのSF」「2084年のSF」につづくアンソロジー第3巻。テーマはAI。 abogard.hatenadiary.jp abogard.hatenadiary.jp 刊行からしばらく手を出していなかったのは、「2084年のSF」の時ほど丁寧に読め…
火星のプリンセス (創元SF文庫) 作者:エドガー・ライス バローズ 東京創元社 Amazon なんとなく手に取ってみる。子どもの頃ジュブナイル版は読んでいたがほとんど記憶はない(かろうじて八本脚の火星馬が「ソート」という名前だったことは憶えている)。東…
時をとめた少女 (ハヤカワ文庫SF) 作者:ロバート・F・ヤング 早川書房 Amazon てっきり河出で出てたやつの文庫化か何かだと思ってスルーしてたら日本オリジナルの短編集だったんですね。「妖精の棲む樹」は先日「黒い破壊者」で読んだばかりだったんでそこは…
スター・シェイカー (ハヤカワ文庫JA) 作者:人間 六度 早川書房 Amazon 肉体はジャンクションだ! (大声で叫ぶ) やー面白かった。すげー面白かった。「テレポート」というSFでも相当古典的な題材*1を使ってこんなに新しい、こんなに雄大な物語を構築するこ…
きみは雪をみることができない (メディアワークス文庫) 作者:人間 六度 KADOKAWA Amazon いわゆる、難病恋愛ものではある。これまでそういうものは読んだことが無かったなあ。SFカーニバルで人間六度先生にサインを戴いて、その強烈な個性の印象があんまり強…
感傷ファンタスマゴリィ (創元日本SF叢書) 作者:空木 春宵 東京創元社 Amazon 「感応グラン=ギニョル」につづく第2作品集。前作の感想はこちら。 abogard.hatenadiary.jp 今回もテーマは繋がっていて、やはり人がアイデンティティを獲得する話。ではある…
冬期限定ボンボンショコラ事件 〈小市民〉シリーズ (創元推理文庫) 作者:米澤 穂信 東京創元社 Amazon 考えてみると自分の初米澤穂信は小市民シリーズだった。手元の「春期限定いちごタルト事件」を見たら2005年3月発行の5刷だったのでその頃か。というか「…
わたしは孤独な星のように 作者:池澤 春菜 早川書房 Amazon 作家池澤春菜、待望の単著。思い入れが激しくいささか冷静でない気分を自覚しつつ、冷静に感想を記して行こうと思う。「ゲンロン 大森望SF創作講座」第6期に「柿村イサナ」名義で発表したものも含…
敵前の森で 作者:古処 誠二 双葉社 Amazon うーんうーんうーん、この人はもっと評価されて欲しいと思うのだけれど、実際文章はいいし展開も面白いしPIATも出てくるし、なんだけど、全部終わってみたら「なんかいい話」に落とし込んじゃうのはなんでだろうな…
ファインモールド待望の新製品・完全新規金型の日本軍アイテム「三九式輜重車 甲」のキットレビューです。合わせて「野戦炊事セット 九七式沸水車」のキット内容も見て行こうと思います。(基本はツイッターに挙げたことの再編集です)
黒い破壊者 (宇宙生命SF傑作選) (創元SF文庫) 作者:A・E・ヴァン・ヴォークト,R・F・ヤングほか 東京創元社 Amazon 創元SF文庫の未読を読んでみるキャンペーン(まだやってたのか)、中村融による日本オリジナル・アンソロジー。刊行当時「言うてもビーグル…
羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳 (光文社古典新訳文庫) 作者:ロダーリ 光文社 Amazon 「ファンタジーの練習帳」というサブタイトルに惹かれて読んでみる。童話というか寓話めいた短めの短編(重複表現)が20本、すべて結末が3通り提示されるマルチエンド…
怪獣保護協会 作者:ジョン スコルジー 早川書房 Amazon やー、面白かったですよ。最近は手癖で書いてるんじゃないかって危惧もあったスコルジーですが、やはり上手い人だなあ。ユーモアとウイットに富んだ会話で回していくところ、山あり谷ありのストーリー…
事情を知らない転校生がグイグイくる。 17巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER) 作者:川村拓 スクウェア・エニックス Amazon 修学旅行編、つづき。既に人間関係の構築が完全に出来上がっているので、浮かれ騒ぐ小学生をひたすら見せられる話になります。…
書架の探偵、貸出中 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5061) 作者:ジーン・ウルフ 早川書房 Amazon 前作を読んだときには心底長生きしてほしいと思ったジーン・ウルフですが。ご存知の通りシリーズ第2弾のこちらが遺作絶筆となりました。残念なことです。前作の感…
カーミラ レ・ファニュ傑作選 (光文社古典新訳文庫 K-Aレ 3-1) 作者:レ・ファニュ 光文社 Amazon ちょっと百合を勉強したくなって読む。まずは古典から入るスタイル( ˘ω˘ ) で、なるほどこれはいいですね。年若い女性の揺れ動く感情、過去の記憶に根付いた運…
地球航路 (創元SF文庫 ス 3-4) 作者:メリッサ スコット 東京創元社 Amazon サイレンス・リー三部作、完結編。前二冊の感想はこちら。 abogard.hatenadiary.jp abogard.hatenadiary.jp 人類が広く宇宙に進出している世界で、その始祖の星である地球が封鎖され…