ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ロバート・F・ヤング「時をとめた少女」

てっきり河出で出てたやつの文庫化か何かだと思ってスルーしてたら日本オリジナルの短編集だったんですね。「妖精の棲む樹」は先日「黒い破壊者」で読んだばかりだったんでそこは飛ばした(笑)

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「真鍮の都」も昔読んでたなあ。もう10年前かこれ。

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こっちは読みかえしました。フムン。

身もフタもないことを言うと「ロリと巨女が好き」なんだろうなあというのがまあ、わかります。ロリータと言ってもペドまでにはいかないとか、そういうレベルの「少女ヒロイン」的なキャラは多い。巨女ものはどこか哀しげ。そしていちばん面白かったのは……

牧眞司による巻末解説。

うーむ(´・ω・`)

 

いや実際、面白かったのよ。日本では長く読み継がれている(主に「たんぽぽ娘」のおかげである)ヤングが、アメリカ本国ではほぼ「忘れられた作家」である事情とか、本書に収録されていない「たんぽぽ娘」の内容と受容の変遷についてつらつら書くとか。どうもこの本『ビブリア古書堂の事件手帖』――の、TVドラマ版――で「たんぽぽ娘」が一躍脚光を浴びたから出版されたんじゃないかって気もするんだけど、巻末解説はだいたい「たんぽぽ娘」がメインだ(笑)

 サンプルとして<宇宙塵>掲載時に「たんぽぽ娘」を呼んだ梶尾真治さんの声を紹介しておこう。”本作は臆面もない抒情SFだということが言える。私も不定期に異常に抒情SFを書きたいという衝動にとらわれる。本作が私に与えてくれた恩恵が一つある。それは「照れずに書く」という能力である。「こんな話、思いつきました。とてもいい話だと思います。でも書くのは照れくさいなあ。恥ずかしいなあ」そんなとき本作を思い出すと開き直れる”

 

 こうした読みかたをするのは、あるいは私が歳をとったせいかもしれない。はじめて「たんぽぽ娘」を読んだときは、誰もが若かった。翻訳した伊藤さんは当時二十一歳。梶尾さんは高校生。山野さんは二十代後半、長老格の柴野さんだってまだ四十歳前だ。ところが今の私は五十代後半、作中のマークよりも歳上、この作品を書いた時の作者ヤングの年齢すら通りこしてしまっている。

 

自分が「たんぽぽ娘」読んだのもまだ十代、高校生の時でした。いま読んだらどう感じるんだろうなあ、変に泣けてくるかもしれないなあ……

 

みんなも読もう、「たんぽぽ娘」(・ω・)ノ

本書には掲載されていませんが(´・ω・`)