小説・ミステリ
おまえは生きなければならない (徳間文庫) 作者:太田忠司 徳間書店 Amazon 狩野俊介シリーズ以外の太田忠司の小説読むのも久しぶり。狩野俊介シリーズが微妙に現代とは異なる風俗の異世界を舞台にしているのに対し、こちらは完全に現代日本を舞台にした作品…
終りなき夜に生れつく (クリスティー文庫) 作者:アガサ ・クリスティー,矢沢 聖子 早川書房 Amazon 先に書いてしまうと合わなかった。原著は1967年刊行ということでかなり晩年の作品。さすがに絶頂期の輝きは、やはり失われてしまうのでしょうね。ミステリー…
冬期限定ボンボンショコラ事件 〈小市民〉シリーズ (創元推理文庫) 作者:米澤 穂信 東京創元社 Amazon 考えてみると自分の初米澤穂信は小市民シリーズだった。手元の「春期限定いちごタルト事件」を見たら2005年3月発行の5刷だったのでその頃か。というか「…
書架の探偵、貸出中 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5061) 作者:ジーン・ウルフ 早川書房 Amazon 前作を読んだときには心底長生きしてほしいと思ったジーン・ウルフですが。ご存知の通りシリーズ第2弾のこちらが遺作絶筆となりました。残念なことです。前作の感…
特捜部Q―カールの罪状― (ハヤカワ・ミステリ) 作者:ユッシ エーズラ オールスン 早川書房 Amazon シリーズ第9巻、いよいよ大詰めか。ずっと「今」を描くミステリーだと思って読んできたけれど、今回2020年の最初の新型コロナパンデミック下を舞台にしていて…
栞と嘘の季節 (集英社文芸単行本) 作者:米澤穂信 集英社 Amazon 「本と鍵の季節」に続く高校生図書委員堀川次郎と相方の松倉詩門のシリーズ、第2巻。前作の感想はこちらに。 abogard.hatenadiary.jp 相変わらずうまい。唸る。ぐぬぬ。文章が読みやすい作家と…
平和を愛したスパイ (論創海外ミステリ 289) 作者:ドナルド・E・ウェストレイク 論創社 Amazon ウェストレイクが死んでえーと何年だ15年か?それだけ経つのにいまごろ初訳される作品が面白い訳あるんだなこれが。いやー楽しかった。TVの洋画劇場で知らない…
望楼館追想 (創元文芸文庫) 作者:エドワード・ケアリー 東京創元社 Amazon <アイアマンガー三部作>がずっと気になり、そしてずっと読んでいないエドワード・ケアリーのこれがデビュー作だと聞いて読んでみる。もともとは2002年に文芸春秋から出て2年後に文…
さらば、シェヘラザード (ドーキー・アーカイヴ) 作者:ドナルド・E・ウェストレイク 国書刊行会 Amazon ミステリーのタグつけたけれど、別にこれはミステリー小説ではなくて、普通小説です。訳者あとがきにもそう書いてある。 どこが普通の小説だよ(´・ω・`)…
影なき男 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:ダシール ハメット 早川書房 Amazon これは本当に読んでなかった一冊。読んでみるもんですね、ハメットがこんな作品書いていたとは知らなかった。主人公は探偵ではなく、結婚した妻の実家が太すぎて既に引退し実業家…
デイン家の呪い(新訳版) 作者:ダシール ハメット 早川書房 Amazon 古典の割には読んでなかったなーへーなかなかおもしろいなーと読み進めてクライマックスではたと気がつく。俺この本前に読んでるな(´・ω・`) とはいえ感想も書かずに忘れていたので一応記…
小沼丹推理短篇集-古い画の家 (中公文庫 お 99-1) 作者:小沼 丹 中央公論新社 Amazon 「黒いハンカチ」は昔から本棚に在って、前に随筆も一冊読んでいた*1小沼丹の作品集。雑誌「宝石」に発表された作品などを中心に、おおむね1950年代後半~60年代前半に執…
ギャンブラーが多すぎる (新潮文庫) 作者:ドナルド・E・ウェストレイク 新潮社 Amazon ウェストレイクを初めて読んだのは今は亡きミステリアス・プレス文庫のオレンジ背で「踊る黄金像」でした。陽気で明るいNYの雰囲気を前面に出した楽しいクライム・コメデ…
戦場のコックたち (創元推理文庫) 作者:深緑 野分 東京創元社 Amazon 偶々なんだけどこの本読む直前に、現代的なピーラー(皮むき器)というのは1947年にスイス人が発明したものだと知った。じゃあよくある「新兵がジャガイモの皮むき」を第二次世界大戦当時…
気狂いピエロ (新潮文庫) 作者:ライオネル・ホワイト 新潮社 Amazon 新潮文庫の海外ミステリー読むのもなんか久しぶり。昔からジャン・リュック・ゴダールの映画のタイトルだけ知ってて見たことないんだけれど、原作小説があるとは知らなかった。本書解説に…
探偵学入門 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 作者:マイクル・Z・リューイン 早川書房 Amazon なぜかamazonにはポケミス版しか扱いが無いようなんだけど、自分が読んだのはミステリ文庫の「現代短篇の名手たち」シリーズ5巻として刊行されたもので、文庫化に…
黒牢城 (角川書店単行本) 作者:米澤 穂信 KADOKAWA Amazon おそれいりました。 米澤穂信はいろんな話を書くんだなと思わされたのは「折れた竜骨」読んだ時*1だけど、あれから10年経ってまさか時代小説まで書くとは思わなかった。そして時代小説の形式を採っ…
鬼哭洞事件 作者:太田 忠司 東京創元社 Amazon 狩野俊介シリーズ30周年の節目に刊行された11年ぶりの新作。いまは創元なんですね。このシリーズも若いころずいぶん入れ込んで読んだものだけれど、いつのまにか遠ざかってしまっていた。調べてみたら「狩野俊…
死者は語らずとも (PHP文芸文庫) 作者:フィリップ・カー PHP研究所 Amazon 新グンターシリーズ3作目。シリーズ全体では5作あるそうですが、現在のところ邦訳は本書で止まっているようです。 今後どうなるかはわからないけれど、さすがに5年開いたら普通には…
静かなる炎 (PHP文芸文庫) 作者:フィリップ・カー PHP研究所 Amazon 新グンターシリーズ2冊目。決して「新ベルリン三部作」とは呼ばれないのだろうなあ。三部作ではないし今回の舞台は主にアルゼンチンなので。 前作ラストでアドルフ・アイヒマンらと共にド…
変わらざるもの (PHP文芸文庫) 作者:フィリップ・カー PHP研究所 Amazon フィリップ・カーのベルリン三部作に続きがあって、しかも10年も前に翻訳が出ていたとは知らなかった。版元を変えているとはいえなんという失態。 今でこそいろいろ出ているナチスドイ…
五匹の子豚 (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,山本 やよい 発売日: 2012/08/01 メディア: Kindle版 クリスティーもまだまだ未読の名作がいくつもありそうで、ちょっと前にツイッターで好評が流れてくるまでタイトルすら認識していなかった1冊。…
Iの悲劇 (文春e-book) 作者:米澤 穂信 発売日: 2019/09/26 メディア: Kindle版 久しぶりに黒米澤。 Iターンをテーマに廃村をよみがえらせる計画が、幾度となく発生する隣人間のトラブルによって瓦解していく様を描く連作短編集。連載が半分、新規書き下ろし…
特捜部Q―アサドの祈り― (ハヤカワ・ミステリ) 作者:ユッシ エーズラ オールスン 発売日: 2020/07/07 メディア: Kindle版 特捜部Qシリーズ第8巻。これまで様々に示唆されてきた特捜部Qの主要メンバー、アサドの過去が明らかになる一冊。シリーズ開始当初より…
ザリガニの鳴くところ 作者:ディーリア・オーエンズ 発売日: 2020/03/05 メディア: Kindle版 ミステリ…なのかなあ。アメリカ、ノースカロライナ州の湿地帯で不審死を遂げた遺体が発見される1969年の事件が捜査され容疑者が逮捕されるパートは確かに推理小説…
特別料理 (異色作家短篇集) 作者:スタンリイ エリン 発売日: 2006/07/01 メディア: 単行本 「ぜんぶ本のはなし」で取り上げられていた*1ので興味をもって手に取ってみる。表題作は古典の名作ではあるのだけれど、近年の日本では米澤穂信のオマージュ作品の方…
ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇 (角川文庫) 作者:初野 晴 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/02/25 メディア: 文庫 なかなか続巻でないなーと思っていたら、実は3年前に文庫オリジナルで出ていたハルチカシリーズ番外編。知らないうちにアニメになって…
巴里マカロンの謎 (創元推理文庫) 作者:米澤 穂信 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2020/01/30 メディア: 文庫 小市民シリーズ11年ぶりの新刊ということで、久しぶりに懐かしい面々に再会出来ました。「秋期限定栗きんとん事件」の感想は11年前に書いて…
モリアーティ秘録〈上〉 (創元推理文庫) 作者: キム・ニューマン,北原尚彦 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2018/12/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る モリアーティ秘録〈下〉 (創元推理文庫) 作者: キム・ニューマン,北原尚彦 出版社/メ…
本と鍵の季節 (単行本) 作者: 米澤穂信 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/12/14 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 事前にまったく情報を入れずに読んだ一冊。僕こと堀川次郎と相方の松倉詩門、高校の図書委員である2人が日常のささやかな疑…