ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

2023-01-01から1年間の記事一覧

今年の一番について考える。

毎年恒例のやつです。近年の自分は「いずれ出来なくなるのだからやりたいことはやれるうちにやっておけ」精神で動いているのですが、「いずれ出来なくなる」というのは、これまでは自分に内在する要因と捉えていました。でも、そうではない。それだけではな…

「SPY FAMILY CODE: WHITE」見てきました。

公式。 感想としてはネガティブなものになります。そういうのが苦手な方、映画を楽しめた方は読まれない方が宜しいかと思います。

古橋秀之「百万光年のちょっと先」

百万光年のちょっと先 (ジャンプジェイブックスDIGITAL) 作者:古橋秀之,矢吹健太朗 集英社 Amazon もとは徳間の「SF Japan」誌に掲載された作品を集英社から単行本化されたもの。先日「四つのリング」を再読してやはり面白くて、まとめてよんでみようと。ち…

C・L・ムーア「暗黒神のくちづけ」

暗黒神のくちづけ―処女戦士ジレル (ハヤカワ文庫 SF 139 処女戦士ジレル) 作者:C.L.ムーア 早川書房 Amazon 女戦士ジョエリーのジレルを主人公に据えたヒロイック・ファンタジー連作短編集。このシリーズは以前「ヘルズガルド城」を『不死鳥の剣」で、また同…

松田未来・※Kome「夜光雲のサリッサ 11」

夜光雲のサリッサ(11)<完全版> 夜光雲のサリッサ<完全版> (RYU COMICS) 作者:松田未来,※Kome 徳間書店(リュウコミックス) Amazon 前巻の感想で「1stガンダムぽくなるかも」などと書いたけれど、要塞攻略戦と言えばクライマックスだと感じるのはガンダム…

高野史緒「グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船」

グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船 (ハヤカワ文庫JA) 作者:高野 史緒 早川書房 Amazon 刊行以来評判が高かった1冊を神保町ブックフェスティバルでサイン本購入。いろいろと声は聞こえてきたので二人のキャラクターがそれぞれ属するパラレルワールドが交…

ロバート・シルヴァーバーグ「時間線をのぼろう」

時間線をのぼろう【新訳版】 (創元SF文庫) 作者:ロバート・シルヴァーバーグ 東京創元社 Amazon うーん、なんかダメだったなこれ(´・ω・`) 読んだ、という記録だけ残しておく。

川村拓「事情を知らない転校生がグイグイくる。」⑯

事情を知らない転校生がグイグイくる。 16巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER) 作者:川村拓 スクウェア・エニックス Amazon 「事情を知ってるラブい同級生がグイグイくる」と化して久しいですが、ついに修学旅行編です。16巻半分近くのボリュームを使っ…

宮沢伊織「ウは宇宙ヤバいのウ![新版]」

ウは宇宙ヤバイのウ!〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA) 作者:宮澤 伊織 早川書房 Amazon 負けたというのもおこがましいけど、なんか「負けた……!」と感じる一冊。 朝、登校中の女子高生の頭上に巨大隕石が落ちて地球が滅亡するところから始まり、読者に情報を咀嚼…

「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」見てきました。

公式。 当初全然見るつもりなかったんだけど、公開直後に絶賛の嵐だったんでこりゃ見ておこうかなと。鬼太郎と言えば水木しげるのお膝元、調布で見られたのはよかったね。帰りに布田天神でも寄ってくれば尚よかったのだが。 まあともかく、ビックリするほど…

ハル・クレメント「一千億の針」

一千億の針【新版】 (創元SF文庫) 作者:ハル・クレメント 東京創元社 Amazon さて、どこから書き出しましょうかね。本書はハル・クレメントの名作「20億の針」の続編で、ぼくはその「20億の針」を岩崎書店のジュブナイル版「星からきた探偵」ではじめて読ん…

ジャスパー・フォード「クォークビーストの歌」

クォークビーストの歌 (竹書房文庫) 作者:ジャスパー・フォード 竹書房 Amazon 「最後の竜殺し」に続く「カザム魔法マネジメント」シリーズ第2巻。前巻が面白かったので続けて読んでみた。 abogard.hatenadiary.jp シリーズ物ということで第1巻ほど設定的な…

ルーシャス・シェパード「美しき血」

美しき血 竜のグリオールシリーズ (竹書房文庫) 作者:ルーシャス・シェパード 竹書房 Amazon 「竜のグリオールに絵を描いた男」「タボリンの鱗」に続く「竜のグリオール」シリーズ第3巻、最終巻にして唯一の長編となるもの。 abogard.hatenadiary.jp abogard…

ブレイク・クラウチ 編「フォワード」

フォワード 未来を視る6つのSF (ハヤカワ文庫SF) 作者:ブレイク クラウチ,ベロニカ ロス,N K ジェミシン,エイモア トールズ,ポール トレンブレイ,アンディ ウィアー 早川書房 Amazon SFは必ずしも未来を題材とするものばかりではないけれど、未来を題材…

エリザベス・グージ「まぼろしの白馬」

まぼろしの白馬 (岩波少年文庫) 作者:エリザベス グージ 岩波書店 Amazon ツイッターで紹介されてるのを見て読む。面白かった。ファンタジーというかおとぎばなし、メルヘンと言った方が近いのかも知れないけれど「綺麗な伝奇」のようでもある。両親を亡くし…

ユッシ・エーズラ・オールスン「特捜部Q ―カールの罪状―」

特捜部Q―カールの罪状― (ハヤカワ・ミステリ) 作者:ユッシ エーズラ オールスン 早川書房 Amazon シリーズ第9巻、いよいよ大詰めか。ずっと「今」を描くミステリーだと思って読んできたけれど、今回2020年の最初の新型コロナパンデミック下を舞台にしていて…

「ガールズ&パンツァー最終章 第4話」見てきました。

ともかく無事にこの日を迎えられて良かった。TVシリーズ以来のガルパンおじさんを始め、ついにスタッフにまで物故者が出るほどの年月。順当に進めば完結まであと3年かかる計算だけれど、訓練されたガルパンおじさんとしては「3年で終わるわけねえだろ」とい…

ロバート・ウェストール「禁じられた約束」

禁じられた約束 (WESTALL COLLECTION) 作者:ロバート ウェストール 徳間書店 Amazon 第二次世界大戦を背景にした児童文学やゴースト・ストーリーをものすロバート・ウェストールによる恋愛風味の幽霊物語。思春期男女の美しくも微笑ましい初恋物語が、病弱の…

米澤穂信「栞と嘘の季節」

栞と嘘の季節 (集英社文芸単行本) 作者:米澤穂信 集英社 Amazon 「本と鍵の季節」に続く高校生図書委員堀川次郎と相方の松倉詩門のシリーズ、第2巻。前作の感想はこちらに。 abogard.hatenadiary.jp 相変わらずうまい。唸る。ぐぬぬ。文章が読みやすい作家と…

人間六度「過去を喰らう」

過去を喰らう (I am here) beyond you. 作者:人間六度 一迅社 Amazon さなコン関連で読んでみようと思い、読む。このひとの作品は以前「2084年のSF」で「星の恋バナ」を読んでいて、たいへん面白かった記憶がありました。(長文エントリーに付き注意) aboga…

ジェイムズ・ラヴグローヴ「シャーロック・ホームズとシャドウェルの影」

シャーロック・ホームズとシャドウェルの影 クトゥルー・ケースブック (ハヤカワ文庫FT) 作者:ジェイムズ ラヴグローヴ 早川書房 Amazon ホームズ+クトゥルーというのもまあベタな組み合わせだし、「緋色の研究」から始めるというのもまあベタだ。「クトゥル…

さなコン3でした。

第3回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト、「さなコン3」前回に引き続き今回も参加していました。前回は「果たして自分はいまでも小説が書けるのだろうか」という悩みを抱えながら(実は第1回のときは参加しようと思って書き出しまで行ったけれど、結…

ミック・ジャクソン「10の奇妙な話」

10の奇妙な話 (創元推理文庫) 作者:ミック・ジャクソン 東京創元社 Amazon ファンタジー……なのかなあ。まあファンタジックではあるのだが、幻想・怪奇趣味があれば琴線には触れると思いますが、例えば「霧に橋を架ける」とか「地球の中心までトンネルを掘…

「PERFECT BLUE 4K版」見てきました。

マッドハウス創立50周年記念上映を、池袋の新文芸坐で。 初めて岩男潤子さんを実際に目にしたのが、確かこの作品の舞台挨拶だったと思います。渋谷でやってた東京国際ファンタスティック映画祭じゃなかったかな?小柄な人だなあと思ったことが記憶に残ってる…

ジャスパー・フォード「最後の竜殺し」

最後の竜殺し (竹書房文庫) 作者:ジャスパー・フォード 竹書房 Amazon 何気なく読んだらすごく面白かったんで拾い物というか掘り出し物というか。竹書房文庫もSF界隈ではよく取り沙汰されるようになったけれど、ファンタジー方面だと「竜のグリオール」シリ…

シーラン・ジェイ・ジャオ「鋼鉄紅女」

鋼鉄紅女 (ハヤカワ文庫SF) 作者:シーラン ジェイ ジャオ 早川書房 Amazon 面白い。面白かった。けれどどこかでモヤモヤした気持ちを抱いてしまうのは自分がジェンダーのこっち側にいるからであって、ジェンダーの向こう側にいる人たちには、これまでこうい…

ドナルド・E・ウェストレイク「平和を愛したスパイ」

平和を愛したスパイ (論創海外ミステリ 289) 作者:ドナルド・E・ウェストレイク 論創社 Amazon ウェストレイクが死んでえーと何年だ15年か?それだけ経つのにいまごろ初訳される作品が面白い訳あるんだなこれが。いやー楽しかった。TVの洋画劇場で知らない…

バート・S.ホール「火器の誕生とヨーロッパの戦争」

火器の誕生とヨーロッパの戦争 (平凡社ライブラリー945) 作者:バート・S.ホール 平凡社 Amazon ガチだ。 「異世界ファンタジー小説やRPGに銃を出す時の参考にでもなるかな」などと軽い気持ちで読んでみたら臼砲の石弾が直撃したような衝撃を受ける。元本は…

小林快次「ティラノサウルス解体新書」

ティラノサウルス解体新書 作者:小林快次 講談社 Amazon そんでこちらはダイナソー小林による最新のティラノサウルス本。文字メインの内容で、近年の研究論文を紹介する形で最新のティラノサウルス像を構築させるような一冊…といえばいいのかな。ティラノサ…

文:楊楊 絵:趙闖「TYRANNOPEDIA」

Tyrannopedia ティラノサウルス 最新 一族大図鑑 講談社 Amazon 「ティラノサウルス最新一族大図鑑」とサブタイトルにあるように、ティラノサウルス科、ティラノサウルス上科の恐竜解説をメインにした恐竜本。それだけなら別に珍しくもなんとも…