負けたというのもおこがましいけど、なんか「負けた……!」と感じる一冊。
朝、登校中の女子高生の頭上に巨大隕石が落ちて地球が滅亡するところから始まり、読者に情報を咀嚼する暇を与えずトンチキエピソードの数々をマッハのスピードでぶっちぎり、全体的に濃度が濃く、それでいてメリハリもちゃんとあり、わけがわからないなりにわけがわかるように書き、ちょくちょくパロディネタを挟んでもそれが不自然にならず、意外性の方向に向けたベクトルは次々に加速して行き、最後に全てがちゃんとまとまる。キャラクターは魅力的でガジェットは独創的、プロットは輻輳しながらも決して混乱することは無い。
負けた……。
おもしろかった。
すげえ、
すげえおもしろかった!!
しかしこれ10年前に元本が一迅社から出たときは全然売れなかったそうだけれど、なんでだろうなあ。今回新版にあたって主人公の性別を変え百合要素を足したとあるけど、そもそもの読者層がミスマッチだったんじゃなかろうか?
そういえば「火を発見した熊」というのが出てきたけれど、これはテリー・ビッスンの「熊が火を発見する」がネタ元なのか、さらにその元ネタがあるのかどっちなんだろう(´・ω・`)?