ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

小説・SF

クリス・ネヴィル「ベティアンよ帰れ」

ベティアンよ帰れ (ハヤカワ文庫 SF 74) 作者:クリス・ネヴィル 早川書房 Amazon ハヤカワ文庫SF通巻74という、まあ古典ですね。原著は1970年刊行で、ゼナ・ヘンダースンのピープルシリーズのような「素朴で清貧な古き良きアメリカの片田舎」SFがその年代で…

ガレス・L・パウエル「ガンメタル・ゴースト」

ガンメタル・ゴースト (創元SF文庫) 作者:ガレス・L・パウエル 東京創元社 Amazon アクアク・マカークのキャラはすごく良い。もともとこのキャラありきで短編を書いてそこからいろいろ転がって長編になったというのも頷ける。巻末にはその短編も掲載され…

柴田勝家「ヒト夜の永い夢」

ヒト夜の永い夢 (ハヤカワ文庫JA) 作者:柴田 勝家 早川書房 Amazon 柴田勝家の長編は初めて読んだな。 ウム、変な話だ。昭和初期を舞台に実在の人物を多数配して幻想的な世界を小説で描くというのはどうやったって「帝都物語」になりそうなものだけれど、「…

十三不塔「ヴィンダウス・エンジン」

ヴィンダウス・エンジン (ハヤカワ文庫JA) 作者:十三 不塔 早川書房 Amazon 第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。韓国人の青年男性を主人公に近未来の中国・成都を舞台に描くアクションという構成に、攻めてるなあと感じる。しかしそれを「攻めてる」と…

乾緑郎「機巧のイヴ 帝都浪漫篇」

機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫) 作者:乾緑郎 新潮社 Amazon 「機巧のイヴ」シリーズ三部作の完結編、らしい。第1作*1、2作*2に引き続いてなのだけれどずいぶん間を開けてしまって、おまけに以前NOVAで読んだ番外編というのが実はこの第3作のその後を描…

大森望編「ベストSF2020」

べストSF2020 (竹書房文庫) 竹書房 Amazon 2021年版*1に引き続きというか遡ってか、こっちも読んでみる。シリーズ開始ということで意気込みは強く感じられ、あとがきにゴシップめいた話を書いちゃうところとか鼻白むところも無くはない(笑)2冊読んで気がつ…

大森望編「ベストSF2021」

ベストSF2021 (竹書房文庫, お6-2) (竹書房文庫 お 6-2) 作者:大森 望 竹書房 Amazon 竹書房文庫のこのシリーズに手を出してみる。やや躊躇っていたのは大森・日下コンビの東京創元社年刊日本SF傑作選読んでた頃に、どうも自分に合わない作品は大森選なんじ…

SFマガジン2022年10月号

SFマガジン 2022年 10 月号 早川書房 Amazon 「スタジオぬえ」という名前を知ったのは「プラレス3四郎」で成田シノグの本棚に何かそういうタイトルの本があって…などといきなり古い話をしてみる。スタジオぬえ創立50周年記念特集というのはいろいろと意義深…

ヘンリー・カットナー「ロボットには尻尾がない」

ロボットには尻尾がない 〈ギャロウェイ・ギャラガー〉シリーズ短篇集 (竹書房文庫 か 18-1) 作者:ヘンリー・カットナー 竹書房 Amazon 完全にタイトルと装丁だけに惹かれて読み始めて、そもそも何時だれか書いたものなんだ…というのは後から確認したらヘン…

宮澤伊織「神々の歩法」

神々の歩法 (創元日本SF叢書) 作者:宮澤 伊織 東京創元社 Amazon 以前創元SF短編賞を取った作品を連作・単行本化したもの。表題作については『折り紙衛星の伝説」*1で読んでた。が、「ベタな内容だ」とあるだけでほとんど覚えていなかった…。再読してまあ…

C・L・ムーア「大宇宙の魔女」

大宇宙の魔女: ノースウェスト・スミス全短編 (創元SF文庫 ム 1-1) 作者:C・L・ムーア 東京創元社 Amazon 以前はハヤカワSF文庫で3冊出ていたスペースオペラ、ノースウエスト・スミスシリーズを一巻本にまとめて創元から刊行されたもの…なんだけど、2008年に…

サラ・ピンスキー「いずれすべては海の中に」

いずれすべては海の中に (竹書房文庫) 作者:サラ・ピンスカー 竹書房 Amazon いろいろと高評価を見て手に取ってみた一冊…なんだけど、残念ながら自分にはあまり合わなかったなあ。ま、そういうこともあるのが本読みです。10年前なら河出の奇想コレクションで…

北野勇作「100文字SF」

100文字SF (ハヤカワ文庫JA) 作者:北野 勇作 早川書房 Amazon 例によってamazonが張り付けるのは電書リンクなんだけれど、例のごとくに読んだのは紙本です。これは結構大事なことで、初出は著者がツイッターの専用アカウントで発表していた作品をまとめた…

伊藤典夫訳・高橋良平編「伊藤典夫翻訳SF傑作選 最初の接触」

伊藤典夫翻訳SF傑作選 最初の接触 (ハヤカワ文庫SF) 作者:マレイ・ラインスター,ジョン・ウインダム,ジェイムズ・ブリッシュ,フィリップ・ホセ・ファーマー,ジェイムズ・ホワイト,デーモン・ナイト,ポール・アンダースン 早川書房 Amazon 伊藤典夫翻訳SF傑作…

ザミャーチン「われら」

われら (光文社古典新訳文庫) 作者:ザミャーチン 光文社 Amazon オーウェルの「一九八四年」に強く影響した作品だという話をアフターシックスジャンクションのロシア・ウクライナ文学回(まー池澤春菜ゲスト回だ)で聴き、読んでみる。 めっちゃ読み辛い話で…

日本SF作家クラブ 編「2084年のSF」

2084年のSF (ハヤカワ文庫JA) 作者:日本SF作家クラブ編 早川書房 Amazon 「ポストコロナのSF」*1に続く日本SF作家クラブ編集によるアンソロジー。前回よりは書き手が若いというか新鋭なのかな?現在から62年先の未来ってまた微妙な近未来ですけど、オー…

樋口恭介編「異常論文」

異常論文 (ハヤカワ文庫JA) 早川書房 Amazon SFマガジン2021年6月号特集をボリュームアップし、ハヤカワ文庫JA通巻1500冊記念として文庫化された話題作。ひとことで言うと、 異常だ。 まあその、読んだというか読みはしたというか目は通したというか。変な本…

グラント・キャリン「サターン・デッドヒート」

サターン・デッドヒート (ハヤカワ文庫SF) 作者:黎, 小隅,慧子, 高林,グラント キャリン 早川書房 Amazon 日本SF作家クラブと蔦屋書店の主催で先日開催された「SFカーニバル」。それに併せた選書フェア「日本SF作家クラブが選ぶ偏愛SF200とちょっと」で会長…

ナターリヤ・ソコローワ「旅に出るときほほえみを」

旅に出る時ほほえみを (白水Uブックス) 作者:ナターリヤ・ソコローワ 白水社 Amazon ちょっと前に読んで、そのときは感想上げなかったものを再読。 変な話だ。なにしろ昔はサンリオSF文庫で出ていたぐらいだ(さらに前には「怪獣17P」なるタイトルで大光社か…

高島雄哉「エンタングル:ガール」文庫版

エンタングル:ガール (創元SF文庫 SFた 3-2) 作者:高島 雄哉 東京創元社 Amazon WEB版*1、書籍版*2に続く3度目の「エンタングル:ガール」。 願わくは本作が、読まれるたびに状態が移り変わる、量子的な『エンタングル:ガール』であらんことを。そしてその…

梶尾真治「サラマンダー殲滅」

サラマンダー殲滅 上 (徳間文庫) 作者:梶尾真治 徳間書店 Amazon サラマンダー殲滅 下 (徳間文庫) 作者:梶尾真治 徳間書店 Amazon いま入手できるのは徳間文庫版なのですね。10代の頃に読んで大変面白かったものを、常々再読したなーと思って漸く。図書館の…

ラヴィ・ティドハー「完璧な夏の日」(上)(下)

完璧な夏の日 上 (創元SF文庫) 作者:ラヴィ・ティドハー 東京創元社 Amazon 完璧な夏の日〈下〉 (創元SF文庫) 作者:ラヴィ・ティドハー 東京創元社 Amazon 1930年代、突如として世界各地に現れた超人(オーバーマン、ドイツ語ではユーバーメンシェ)たちに…

ジョン・スコルジー「星間帝国の皇女―ラスト・エンペロー―」

星間帝国の皇女-ラスト・エンペロー- (ハヤカワ文庫SF) 作者:ジョン スコルジー 早川書房 Amazon そーいやこれ読んでなかったなあと年末最後の一冊。お話としてはまあ、ありがちで、本人は望まずに皇帝の地位に就いた主人公カーデニアと、実は崩壊寸前の危…

大森望・編「星雲賞短編SF傑作選 てのひらの宇宙」

てのひらの宇宙 (星雲賞短編SF傑作選) (創元SF文庫) 東京創元社 Amazon 歴代の星雲賞短編部門受賞作品から、ボリュームなどある程度の基準によって選択し編纂されたアンソロジー。有名なもので既読なものも多いが、有名なもので未読なものも多く、まだ全然知…

M・ジョン・ハリスン「パステル都市」

パステル都市 (1981年) (サンリオSF文庫) 作者:M.ジョン・ハリスン Amazon 「サンリオSF文庫総解説」*1に記載されたなかでもあらすじが面白かったもので、買える値段のものを探していた一冊。神保町の羊頭書房でややヤケあり1400円だった(@ワンダーでは200…

ガードナー・R・ドゾワ他「海の鎖」

海の鎖 (未来の文学) 作者:ガードナー・R・ドゾワ 国書刊行会 Amazon 国書刊行会のSF叢書「未来の文学」シリーズ、その中で短編アンソロジーとしては第散弾にあたるもの。なのだけれど、まあ古いSFだナーと思う。「未来の文学」自体最新のものでなくむしろ過…

月村了衛「機龍警察 白骨街道」

機龍警察 白骨街道 (ハヤカワ・ミステリワールド) 作者:月村 了衛 早川書房 Amazon 「ビルマの竪琴」という作品がある。自分は中井貴一の映画を見て原作を読んだ。いい話だし名作だと思うけれども、現実のビルマ即ちミャンマーに、あのフィクションのイメー…

ジョン・クロウリー「エンジン・サマー」

エンジン・サマー (扶桑社ミステリー) 作者:ジョン クロウリー 扶桑社 Amazon 読んだ。とだけ記しておく。 正直うまいこと吸収できなかったというか乗れなかったというか。オチは面白かったのだけれど。ああでも多分、これは記録しておく必要があるだろう。 …

日本SF作家クラブ・編「ポストコロナのSF」

ポストコロナのSF (ハヤカワ文庫 JA ニ 3-6) 早川書房 Amazon いま、まさに読まれるべき一冊。日本SF作家クラブがここまで時勢にマッチした作品をというか行動自体を起こしたのは初めてじゃないだろうか。やっぱりいろいろ変わっていくのでしょうね*1。総勢1…

D・H・ウィルソン&J・J・アダムズ編「スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選」

スタートボタンを押してください (ゲームSF傑作選) (創元SF文庫) 作者:ケン・リュウ,桜坂 洋,アンディ・ウィアー,アーネスト・クライン,ヒュー・ハウイー,コリイ・ドクトロウ,チャールズ・ユウ,ダニエル・H・ウィルソン,チャーリー・ジェーン・アンダース,ホ…