アクアク・マカークのキャラはすごく良い。もともとこのキャラありきで短編を書いてそこからいろいろ転がって長編になったというのも頷ける。巻末にはその短編も掲載されてて実に親切なことだ。
でもなんかその、うーん売り方?があまりというかちょっとというか全然気に入らねえ(´・ω・`)
第二次世界大戦中、英空軍で活躍する不死身のエース・パイロット“高射砲(アクアク)”マカーク。隻眼、葉巻と二丁拳銃がトレードマークの彼はある日、禁断の真実を知る――本当の彼は仮想空間に囚われた、人ならぬ存在だったのだ!(後略)
あらすじにはこう書かれてるんだけど、まず最初に読者に提示されるのはこの世界が1950年代にイギリスとフランスが統一されてひとつの国家となり、そこから100年が過ぎた架空の未来社会だってことであって、そこで遊ばれている(かなりパンキッシュな)VR第二次世界大戦ゲームの有名キャラが実は…という流れ。話の順番が違うんでゼーガペイン的なアイデンティティクライシスを期待してたら肩透かしされた気分になりました(´・ω・`) お話の主軸は英仏連合王国の皇太子メロヴィクと夫を失ったジャーナリストのヴィクトリアを含めて3人のキャラのアイデンティティクライシス(及びその克服)にあるんだけれど、原題も”ACK-ACK MACAQUE”だしカバー画に描かれているのもアクアク・マカークとあーこれはK8じゃなくてヴィクトリアなのかな?まあともかくなんか落ち着かなさを感じる。
全翼機から降下してくるナチス忍者部隊と戦うスピットファイア乗りの猿が「ここは仮想空間だったのだ!」と気づきを得ても、まあそりゃそうでしょうねと。
帯を外すと尻尾が見える装丁はいいな、うむ。
あーこれ「ウォーシップ・ガール」の人か。あれもなんか微妙で、読んだけど感想残さなかったんだよなーうーむ。