ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ジーン・ウルフ「書架の探偵、貸出中」

書架の探偵、貸出中 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5061) 作者:ジーン・ウルフ 早川書房 Amazon 前作を読んだときには心底長生きしてほしいと思ったジーン・ウルフですが。ご存知の通りシリーズ第2弾のこちらが遺作絶筆となりました。残念なことです。前作の感…

レ・ファニュ「カーミラ レ・ファニュ傑作選」

カーミラ レ・ファニュ傑作選 (光文社古典新訳文庫 K-Aレ 3-1) 作者:レ・ファニュ 光文社 Amazon ちょっと百合を勉強したくなって読む。まずは古典から入るスタイル( ˘ω˘ ) で、なるほどこれはいいですね。年若い女性の揺れ動く感情、過去の記憶に根付いた運…

メリッサ・スコット「地球航路」

地球航路 (創元SF文庫 ス 3-4) 作者:メリッサ スコット 東京創元社 Amazon サイレンス・リー三部作、完結編。前二冊の感想はこちら。 abogard.hatenadiary.jp abogard.hatenadiary.jp 人類が広く宇宙に進出している世界で、その始祖の星である地球が封鎖され…

大橋博之・編著「少年少女SF美術館」

少年少女 昭和SF美術館 作者:大橋 博之 平凡社 Amazon 戦後から始まる児童向けSF叢書の数々を、表紙画を使って紹介していく内容。日本SF作家クラブ50周年事業だそうで、時折挿入されるコラムに瀬名秀明とか池澤春菜とか……って眉村卓まであってびっくりしまし…

伴名錬・編「日本SFの臨界点 新城カズマ 月を買った御婦人」

日本SFの臨界点 新城カズマ 月を買った御婦人 (ハヤカワ文庫JA) 作者:新城 カズマ 早川書房 Amazon 昔から名前は知ってるけどちゃんと読んだことって無いよなーと思い。少なくともアンソロジーに収録された1本は読んでるのか。 abogard.hatenadiary.jp 「…

メリッサ・スコット「孤独なる静寂」

孤独なる静寂 (創元SF文庫) 作者:メリッサ スコット 東京創元社 Amazon 「天の十二分の五」に続くシリーズ第2段。前巻の感想はこちら。 abogard.hatenadiary.jp スター・ウォーズ旧三部作の影響だろうなんてことを書いているけれど、そもそもキャラクター配…

アルフレッド・ベスター「イヴのいないアダム」

イヴのいないアダム (ベスター傑作選) (創元SF文庫) 作者:アルフレッド・ベスター 東京創元社 Amazon 創元SF文庫の未読を読むキャンペーンです。 「分解された男」「虎よ!虎よ!」あと「ゴーレム100」か。ベスタ―というと長編のイメージなんだけど、こちら…

坂井のどか「もののふうさぎ!」

もののふうさぎ! (文芸社文庫NEO) 作者:坂井 のどか 文芸社 Amazon 「女子高生が主役の小説は全部ファンタジーだ!」とかやってきたけど、流石にそれもどうかと思うライト文芸作品。第6回文芸社文庫NEO小説大賞優秀賞の、「居合」をテーマにした青春スポー…

メリッサ・スコット「天の十二分の五」

天の十二分の五 (創元SF文庫) 作者:メリッサ スコット 東京創元社 Amazon 創元SF文庫の未読を読んでみるキャンペーンその2。以前からタイトルだけは知ってましたねこれ。でも3部作だとは知らなかったし、魔法の力が支配する宇宙が舞台のスペースオペラだと…

R・A・ハインライン「レッド・プラネット」

レッド・プラネット (創元SF文庫) 作者:ロバート・A・ハインライン 東京創元社 Amazon 創元SF文庫の未読を読んでみるキャンペーン(何)ハインラインのジュブナイルSFも色々読んでたけど、これは未読でした。Amazonの書影は現行版が出てるけど、図書館で書庫…

東京創元社編集部・編「創元SF文庫総解説」

創元SF文庫総解説 東京創元社 Amazon 近年はこういう資料書籍がよく刊行されますね。むかしからハヤカワはデータベース構築に積極的だったイメージがあるのですが、創元はちょっとおぼえが無い。専門の雑誌媒体を出してたかどうかの差なんだろうか。ともあ…

今年の一番について考える。

毎年恒例のやつです。近年の自分は「いずれ出来なくなるのだからやりたいことはやれるうちにやっておけ」精神で動いているのですが、「いずれ出来なくなる」というのは、これまでは自分に内在する要因と捉えていました。でも、そうではない。それだけではな…

「SPY FAMILY CODE: WHITE」見てきました。

公式。 感想としてはネガティブなものになります。そういうのが苦手な方、映画を楽しめた方は読まれない方が宜しいかと思います。

古橋秀之「百万光年のちょっと先」

百万光年のちょっと先 (ジャンプジェイブックスDIGITAL) 作者:古橋秀之,矢吹健太朗 集英社 Amazon もとは徳間の「SF Japan」誌に掲載された作品を集英社から単行本化されたもの。先日「四つのリング」を再読してやはり面白くて、まとめてよんでみようと。ち…

C・L・ムーア「暗黒神のくちづけ」

暗黒神のくちづけ―処女戦士ジレル (ハヤカワ文庫 SF 139 処女戦士ジレル) 作者:C.L.ムーア 早川書房 Amazon 女戦士ジョエリーのジレルを主人公に据えたヒロイック・ファンタジー連作短編集。このシリーズは以前「ヘルズガルド城」を『不死鳥の剣」で、また同…

松田未来・※Kome「夜光雲のサリッサ 11」

夜光雲のサリッサ(11)<完全版> 夜光雲のサリッサ<完全版> (RYU COMICS) 作者:松田未来,※Kome 徳間書店(リュウコミックス) Amazon 前巻の感想で「1stガンダムぽくなるかも」などと書いたけれど、要塞攻略戦と言えばクライマックスだと感じるのはガンダム…

高野史緒「グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船」

グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船 (ハヤカワ文庫JA) 作者:高野 史緒 早川書房 Amazon 刊行以来評判が高かった1冊を神保町ブックフェスティバルでサイン本購入。いろいろと声は聞こえてきたので二人のキャラクターがそれぞれ属するパラレルワールドが交…

ロバート・シルヴァーバーグ「時間線をのぼろう」

時間線をのぼろう【新訳版】 (創元SF文庫) 作者:ロバート・シルヴァーバーグ 東京創元社 Amazon うーん、なんかダメだったなこれ(´・ω・`) 読んだ、という記録だけ残しておく。

川村拓「事情を知らない転校生がグイグイくる。」⑯

事情を知らない転校生がグイグイくる。 16巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER) 作者:川村拓 スクウェア・エニックス Amazon 「事情を知ってるラブい同級生がグイグイくる」と化して久しいですが、ついに修学旅行編です。16巻半分近くのボリュームを使っ…

宮沢伊織「ウは宇宙ヤバいのウ![新版]」

ウは宇宙ヤバイのウ!〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA) 作者:宮澤 伊織 早川書房 Amazon 負けたというのもおこがましいけど、なんか「負けた……!」と感じる一冊。 朝、登校中の女子高生の頭上に巨大隕石が落ちて地球が滅亡するところから始まり、読者に情報を咀嚼…

「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」見てきました。

公式。 当初全然見るつもりなかったんだけど、公開直後に絶賛の嵐だったんでこりゃ見ておこうかなと。鬼太郎と言えば水木しげるのお膝元、調布で見られたのはよかったね。帰りに布田天神でも寄ってくれば尚よかったのだが。 まあともかく、ビックリするほど…

ハル・クレメント「一千億の針」

一千億の針【新版】 (創元SF文庫) 作者:ハル・クレメント 東京創元社 Amazon さて、どこから書き出しましょうかね。本書はハル・クレメントの名作「20億の針」の続編で、ぼくはその「20億の針」を岩崎書店のジュブナイル版「星からきた探偵」ではじめて読ん…

ジャスパー・フォード「クォークビーストの歌」

クォークビーストの歌 (竹書房文庫) 作者:ジャスパー・フォード 竹書房 Amazon 「最後の竜殺し」に続く「カザム魔法マネジメント」シリーズ第2巻。前巻が面白かったので続けて読んでみた。 abogard.hatenadiary.jp シリーズ物ということで第1巻ほど設定的な…

ルーシャス・シェパード「美しき血」

美しき血 竜のグリオールシリーズ (竹書房文庫) 作者:ルーシャス・シェパード 竹書房 Amazon 「竜のグリオールに絵を描いた男」「タボリンの鱗」に続く「竜のグリオール」シリーズ第3巻、最終巻にして唯一の長編となるもの。 abogard.hatenadiary.jp abogard…

ブレイク・クラウチ 編「フォワード」

フォワード 未来を視る6つのSF (ハヤカワ文庫SF) 作者:ブレイク クラウチ,ベロニカ ロス,N K ジェミシン,エイモア トールズ,ポール トレンブレイ,アンディ ウィアー 早川書房 Amazon SFは必ずしも未来を題材とするものばかりではないけれど、未来を題材…

エリザベス・グージ「まぼろしの白馬」

まぼろしの白馬 (岩波少年文庫) 作者:エリザベス グージ 岩波書店 Amazon ツイッターで紹介されてるのを見て読む。面白かった。ファンタジーというかおとぎばなし、メルヘンと言った方が近いのかも知れないけれど「綺麗な伝奇」のようでもある。両親を亡くし…

ユッシ・エーズラ・オールスン「特捜部Q ―カールの罪状―」

特捜部Q―カールの罪状― (ハヤカワ・ミステリ) 作者:ユッシ エーズラ オールスン 早川書房 Amazon シリーズ第9巻、いよいよ大詰めか。ずっと「今」を描くミステリーだと思って読んできたけれど、今回2020年の最初の新型コロナパンデミック下を舞台にしていて…

「ガールズ&パンツァー最終章 第4話」見てきました。

ともかく無事にこの日を迎えられて良かった。TVシリーズ以来のガルパンおじさんを始め、ついにスタッフにまで物故者が出るほどの年月。順当に進めば完結まであと3年かかる計算だけれど、訓練されたガルパンおじさんとしては「3年で終わるわけねえだろ」とい…

ロバート・ウェストール「禁じられた約束」

禁じられた約束 (WESTALL COLLECTION) 作者:ロバート ウェストール 徳間書店 Amazon 第二次世界大戦を背景にした児童文学やゴースト・ストーリーをものすロバート・ウェストールによる恋愛風味の幽霊物語。思春期男女の美しくも微笑ましい初恋物語が、病弱の…

米澤穂信「栞と嘘の季節」

栞と嘘の季節 (集英社文芸単行本) 作者:米澤穂信 集英社 Amazon 「本と鍵の季節」に続く高校生図書委員堀川次郎と相方の松倉詩門のシリーズ、第2巻。前作の感想はこちらに。 abogard.hatenadiary.jp 相変わらずうまい。唸る。ぐぬぬ。文章が読みやすい作家と…