ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

大森望編「ベストSF2020」

べストSF2020 (竹書房文庫) 竹書房 Amazon 2021年版*1に引き続きというか遡ってか、こっちも読んでみる。シリーズ開始ということで意気込みは強く感じられ、あとがきにゴシップめいた話を書いちゃうところとか鼻白むところも無くはない(笑)2冊読んで気がつ…

藤野可織「爪と目」

爪と目(新潮文庫) 作者:藤野 可織 新潮社 Amazon イタロ・カルヴィーノ「冬の夜ひとりの旅人が」*1に続いて二人称小説を読んでみる。日本人作家で短編作品、2013年第149回芥川賞受賞作ということでたいへん読みやすく、十分歯が立った。語り手は三歳の少女…

深緑野分「戦場のコックたち」

戦場のコックたち (創元推理文庫) 作者:深緑 野分 東京創元社 Amazon 偶々なんだけどこの本読む直前に、現代的なピーラー(皮むき器)というのは1947年にスイス人が発明したものだと知った。じゃあよくある「新兵がジャガイモの皮むき」を第二次世界大戦当時…

大森望編「ベストSF2021」

ベストSF2021 (竹書房文庫, お6-2) (竹書房文庫 お 6-2) 作者:大森 望 竹書房 Amazon 竹書房文庫のこのシリーズに手を出してみる。やや躊躇っていたのは大森・日下コンビの東京創元社年刊日本SF傑作選読んでた頃に、どうも自分に合わない作品は大森選なんじ…

イタロ・カルヴィーノ「冬の夜ひとりの旅人が」

冬の夜ひとりの旅人が (白水Uブックス) 作者:イタロ・カルヴィーノ 白水社 Amazon 二人称小説ってどんなんだろうという参考に読んでみる。イタロ・カルヴィーノは大昔に「まっぷたつの子爵」あたりを読んだような気がするけどよく覚えていないなあ。ぐらいの…

モリナガ・ヨウ「ワールドタンクミュージアム全集」

ワールドタンクミュージアム全集 作者:モリナガ・ヨウ 大日本絵画 Amazon ちょっと前にアーマーモデリング誌で「宮崎駿の世界」特集みたいなことをやってさ、宮崎駿による戦車マンガやエッセイを題材にプラモで再現。みたいな内容で、どれも確かに素晴らしい…

G.G.バイロン、J.W.ポリドリほか「吸血鬼ラスヴァン」

吸血鬼ラスヴァン: 英米古典吸血鬼小説傑作集 作者:G・G・バイロン,J・W・ポリドリ 東京創元社 Amazon 「ドラキュラ以前の吸血鬼小説」をテーマに古典ホラーを集めたアンソロジー。本邦初訳の作品も多く資料的価値も高い。吸血鬼というのは近代になって(そ…

SFマガジン2022年10月号

SFマガジン 2022年 10 月号 早川書房 Amazon 「スタジオぬえ」という名前を知ったのは「プラレス3四郎」で成田シノグの本棚に何かそういうタイトルの本があって…などといきなり古い話をしてみる。スタジオぬえ創立50周年記念特集というのはいろいろと意義深…

ライオネル・ホワイト「気狂いピエロ」

気狂いピエロ (新潮文庫) 作者:ライオネル・ホワイト 新潮社 Amazon 新潮文庫の海外ミステリー読むのもなんか久しぶり。昔からジャン・リュック・ゴダールの映画のタイトルだけ知ってて見たことないんだけれど、原作小説があるとは知らなかった。本書解説に…

ヘンリー・カットナー「ロボットには尻尾がない」

ロボットには尻尾がない 〈ギャロウェイ・ギャラガー〉シリーズ短篇集 (竹書房文庫 か 18-1) 作者:ヘンリー・カットナー 竹書房 Amazon 完全にタイトルと装丁だけに惹かれて読み始めて、そもそも何時だれか書いたものなんだ…というのは後から確認したらヘン…

宮澤伊織「神々の歩法」

神々の歩法 (創元日本SF叢書) 作者:宮澤 伊織 東京創元社 Amazon 以前創元SF短編賞を取った作品を連作・単行本化したもの。表題作については『折り紙衛星の伝説」*1で読んでた。が、「ベタな内容だ」とあるだけでほとんど覚えていなかった…。再読してまあ…

読者からの提案。

これはあくまで私見なんだけど、21世紀に入ってそろそろ四半世紀。ミステリー小説になんらかのキーワードや人物、あるいはグループ名として THE RED RUM というのを出すのは、そろそろ禁止事項にしませんか?

C・L・ムーア「大宇宙の魔女」

大宇宙の魔女: ノースウェスト・スミス全短編 (創元SF文庫 ム 1-1) 作者:C・L・ムーア 東京創元社 Amazon 以前はハヤカワSF文庫で3冊出ていたスペースオペラ、ノースウエスト・スミスシリーズを一巻本にまとめて創元から刊行されたもの…なんだけど、2008年に…

サラ・ピンスキー「いずれすべては海の中に」

いずれすべては海の中に (竹書房文庫) 作者:サラ・ピンスカー 竹書房 Amazon いろいろと高評価を見て手に取ってみた一冊…なんだけど、残念ながら自分にはあまり合わなかったなあ。ま、そういうこともあるのが本読みです。10年前なら河出の奇想コレクションで…

マイクル・Z・リューイン「探偵学入門」

探偵学入門 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 作者:マイクル・Z・リューイン 早川書房 Amazon なぜかamazonにはポケミス版しか扱いが無いようなんだけど、自分が読んだのはミステリ文庫の「現代短篇の名手たち」シリーズ5巻として刊行されたもので、文庫化に…

川村拓「事情を知らない転校生がグイグイくる。」⑪⑫

事情を知らない転校生がグイグイくる。 11巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER) 作者:川村拓 スクウェア・エニックス Amazon 事情を知らない転校生がグイグイくる。 12巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER) 作者:川村拓 スクウェア・エニックス Amazon…

むらかわみちお「ガールズ&パンツァー 樅の木と鉄の羽の魔女」下巻

ガールズ&パンツァー 樅の木と鉄の羽の魔女 下 (MFC) 作者:むらかわ みちお,才谷屋 龍一 KADOKAWA Amazon というわけで下巻です。上巻の感想はこちらに。 むらかわみちお「ガールズ&パンツァー 樅の木と鉄の羽の魔女」上巻 - ひとやすみ読書日記(第二版) …

小泉八雲「骨董・怪談」

骨董・怪談: 個人完訳 小泉八雲コレクション 作者:小泉 八雲 河出書房新社 Amazon 平川祐弘による個人完訳コレクションの一冊。あまりに有名な小泉八雲の作品群は、あまりに有名なだけにジュブナイルから一般の文庫に至るまで大抵はセレクトされた「傑作選」…

阿刀田高「黒い回廊」

黒い回廊 阿刀田高傑作短編集 ホラー (集英社文庫) 作者:阿刀田高 集英社 Amazon ホラー小説、怪談の話をツイッターでやりとりしてて、そういえば昔日本の一般向け作家の作品で怖い話があると聞いたなーとふと思い出して。タイトルが「西瓜」だったような気…

カート・ヴォネガット&スザンヌ・マッコーネル「読者に憐れみを」

読者に憐れみを ヴォネガットが教える「書くことについて」 作者:カート・ヴォネガット,スザンヌ・マッコーネル フィルムアート社 Amazon 今は亡きカート・ヴォネガットが1960年代にアイオワ大学で創作論を教えていた際の学生であり、その後も長らく友人であ…

米澤穂信「黒牢城」

黒牢城 (角川書店単行本) 作者:米澤 穂信 KADOKAWA Amazon おそれいりました。 米澤穂信はいろんな話を書くんだなと思わされたのは「折れた竜骨」読んだ時*1だけど、あれから10年経ってまさか時代小説まで書くとは思わなかった。そして時代小説の形式を採っ…

国立近代美術館「ゲルハルト・リヒター展」ほか

公式。現代美術は好きなんだけど、こういうタイプの絵画だけがまとまっているのを見に行ったもんかどうか悩んでいたらSAKさんがレポートされていて、それでちょっと背中を押されて行ってきました。詳しい展示内容についてはこちらをどうぞ。 sakstyle.hatena…

P・W・シンガー、エマーソン・T・ブルッキング「『いいね!』戦争 兵器化するソーシャルメディア」

「いいね!」戦争 兵器化するソーシャルメディア 作者:P・W・シンガー,エマーソン・T・ブルッキング NHK出版 Amazon 2019年の刊行。シンガーの本は「戦争請負会社」*1と「子ども兵の戦争」*2でずいぶん驚かされたものだけれど、「ロボット兵士の戦争」*3はど…

北野勇作「100文字SF」

100文字SF (ハヤカワ文庫JA) 作者:北野 勇作 早川書房 Amazon 例によってamazonが張り付けるのは電書リンクなんだけれど、例のごとくに読んだのは紙本です。これは結構大事なことで、初出は著者がツイッターの専用アカウントで発表していた作品をまとめた…

伊藤典夫訳・高橋良平編「伊藤典夫翻訳SF傑作選 最初の接触」

伊藤典夫翻訳SF傑作選 最初の接触 (ハヤカワ文庫SF) 作者:マレイ・ラインスター,ジョン・ウインダム,ジェイムズ・ブリッシュ,フィリップ・ホセ・ファーマー,ジェイムズ・ホワイト,デーモン・ナイト,ポール・アンダースン 早川書房 Amazon 伊藤典夫翻訳SF傑作…

ザミャーチン「われら」

われら (光文社古典新訳文庫) 作者:ザミャーチン 光文社 Amazon オーウェルの「一九八四年」に強く影響した作品だという話をアフターシックスジャンクションのロシア・ウクライナ文学回(まー池澤春菜ゲスト回だ)で聴き、読んでみる。 めっちゃ読み辛い話で…

松田未来・※Kome「夜光雲のサリッサ 08」

夜光雲のサリッサ(8)【電子限定特典ペーパー付き】 (RYU COMICS) 作者:松田未来,※Kome 徳間書店(リュウ・コミックス) Amazon 順調に話は広がって「火球の子」が全員そろってもまだ新キャラは出てくる(そして例によって忍に篭絡される)し、新型戦闘機も出…

「劇場版 からかい上手の高木さん」見てきました。

公式。 えーと、

ディーノ・ブッツァーティ「モレル谷の奇蹟」

モレル谷の奇蹟 作者:ディーノ ブッツァーティ 河出書房新社 Amazon あらかじめお断りするとこれは別にファンタジー小説ではない。「小説」ですらない。体裁を見ると絵本のようだけれど「絵本」でもない。では一体何なのかといったら、「架空の聖所で崇めら…

日本SF作家クラブ 編「2084年のSF」

2084年のSF (ハヤカワ文庫JA) 作者:日本SF作家クラブ編 早川書房 Amazon 「ポストコロナのSF」*1に続く日本SF作家クラブ編集によるアンソロジー。前回よりは書き手が若いというか新鋭なのかな?現在から62年先の未来ってまた微妙な近未来ですけど、オー…