ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

国広仙戯「最終兵器勇者」2

 

1巻の感想、ストーリーの概要などはこちらに。

abogard.hatenadiary.jp

前巻のラストで登場したガルウィンとイゾルデの兄妹を紹介するようなパートからストーリーは再開。この二人が実の兄妹では無く従兄妹であるとか、セントミリドガル王国の王族の血を引く者であるという設定は今後の布石になるのでしょうか?主人公の勇者アルサルと魔道士エムリスが クセ強杉 規格外キャラなのを補完するかのように、素直でいい子なところは好感が持てます。まあだいぶ人間の普通規格からは外れているきゃらではあるのですが(笑)

メインとなるのは派手な戦闘シーンで、魔界の際に入り込んだり覚醒した古代兵器(メカドラゴンだ!)と戦う折に触れて、人間の普通の規格からはだいぶ外れたガルウィンとイゾルデの、そこからずっと先の先に居るアルサルやエムリスの規格外っぷりを描く、そういう構造になっています。

本文中に1人称と3人称が混在し頻繁に視点が切り変わるというのは、どうもこれ最近のライトノベルの流行りというかもう慣習なんだろうな。普通「視点のブレ」って厭われるものだけれど、特に引っかかることも無くたいへんスムーズに読めました。

とはいえ、この辺はジャンルによっても違うんだろうなとは思います。最近とある警察小説の新人賞で、選考委員が視点のブレについてだいぶ苦言を呈しているのを見たばかりで、例えばライトノベルでも本格ミステリー指向の謎解きなんかだと違ったりするんだろうか???

勇者アルサル(ん、「在る去る」なのか彼は?)が出奔したことで大国間のパワーバランスは崩れ、どうも黒幕には「聖力」を操る聖神教会が関係してそうだと、そこでかつての勇者パーティの一人”白聖の姫巫女”ことニニーヴに会うべく次の目的地に――

向かおうとしたら第4のメンバー”金剛の闘戦士”ことシュラトによるクーデターと宣戦布告で以下次巻!!というところです。サブタイトルのスローライフは主にキャンプと観光旅行のパートによって消化されます。ごはん美味しそう。

そして前巻にもあった巻末書き下ろしSSが今回は2本もあってしかも2段組だこれー!1本目は温泉挿話で温泉と言えばそう、混浴です!!(大声)あとエムリスさんが風呂キャンこと風呂キャンセル界隈だったことが明らかにされてしまうぞ(´・ω・`)

2本目は前巻SSの続きで魔王討伐のために召喚された少年少女4人の、はじめてのダンジョン攻略譚。こっちの話はだいぶ気になる。なぜ4人は8つの因子を受け入れ人間を捨てて魔王を倒すに至ったか。かなり作為的に配置された世界といい、かつて召喚された先代の勇者たちといい、この物語の謎を解くカギはやはりこちらの旅路にあるのだろうと思うからです。

 

というわけで第3巻にも書き下ろしSSが付くことを期待します。こんどは3段組だ!SFマガジンかーい(´・ω・`)