ツイッターで紹介されてるのを見て読む。面白かった。ファンタジーというかおとぎばなし、メルヘンと言った方が近いのかも知れないけれど「綺麗な伝奇」のようでもある。両親を亡くし孤児となった少女が、遠い縁戚の館で出会う人々と一族の過去、謎。「月姫」の伝説。多くの人に難く結びついた因縁が解きほぐされ、一同幸せになって終わる幕も良し。てっきりイマジナリーフレンドであるかのように描かれていた謎の少年が普通に実在していたり、大きな犬だと思われていた生き物が実はライオンで(正直読者にはすぐにこれがライオンだと解るだろうとは思う)、それもかなり超常的な生物であるとか現実と幻想の匙加減がなにか良かった。
表紙画を見てわかる通りまぼろしの白馬というのはユニコーンのことなんだけど、獅子と一角獣といえば連合王国の紋章だ。19世紀のイギリスで書かれたこの作品、イギリス国内の和解と繁栄をおそらくはイメージしたものなのでしょうね。