ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ジェイムズ・ラヴグローヴ「シャーロック・ホームズとシャドウェルの影」

ホームズ+クトゥルーというのもまあベタな組み合わせだし、「緋色の研究」から始めるというのもまあベタだ。「クトゥルー・ケースブック」3部作第1弾として、あらかじめ振り幅を用意してあるのに最初っからこんなベタベタでいいのかというぐらいマイクロフトもモリアーティも普通に出てくる。原典(聖典)ではもっとあとで出会うはずでは?という当然の疑問は「あれウソなんでwww」という筆記者ワトスンによる怒涛のキャンセル芸で片付けられる。

 

それでいいのか。

 

クライマックスにはホームズがモリアーティと共にライヘンバッハの滝ならぬロンドンはセント・ポール寺院(有名なあそこではない)の地底湖に引きずり込まれるが、辛くもホームズは生還する。

 

それもっとあとの話なのでは?

 

「ごめんあれウソwww」

 

それでいいのか。

 

なんかこー、全体的にクトゥルフ・バイ・ガスライトのセッションでベタなシナリオやったのを小説化したような印象を受けるんですが、あとの2冊にネタは保つのか。まあ保つぐらいは元ネタは豊富か。

 

ホームズとワトスンの30年間に渡る「秘められし冒険」を描く第1巻ということで2人の若さを前面に出すようなところは良かった。ついでに言うとモリアーティもまだ若くて貧乏で貧相な下宿で貧相な家庭教師をしているところが良かった。大英博物館からネクロノミコンを盗んで大悪事というこの、なんだ…