ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

カート・ヴォネガット「パームサンデー」

新装版は著者名から「ジュニア」取れてるんだなー。順番的には「ヴォネガット、大いに語る」*1と「死よりも悪い運命」*2の間に来るもので、結構被ってる内容も多い。ただこの一冊が他と比べて非常に際だっている点はアメリカでは1970年代まで焚書が行われていたという事実を今に伝えてくれることだろう。すごいぜアメリカ!危うくひとを生き埋めにするところだぜ!!

著者の曾祖父、クレメンズ・ヴォネガットが自身の葬儀の為に作成した追悼文(懐疑論的な理性主義とでも言うのかな?)が掲載されていて、これが結構泣ける。引用は避けるが実に美しく理想的であり、またあまりに非現実的であり幻想的である。

人間はもうちょっとインチキ臭くて騙されやすい生き物だろうなと、そう思うからだ。