- 作者: ニール・ゲイマン,金原瑞人,野沢佳織
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2009/02/28
- メディア: 単行本
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おおお、面白いなこれは、的一冊。いや二冊だけど。
有史以前から多くの人間が「移住」し続けてきた土地アメリカで、彼らと共にこの地に移り住み、そして今やもうただ忘れ去られていくだけの存在に成り下がった古えの神々たちが、インターネットやテレビ、ドラッグに自動車といった新しい神格たちとその覇権を掛けて戦う――
ような話だけれど、そこにはいくつもの様相があって一筋縄ではいかないような。本文中に直接または挿話としていくつもの「アメリカの神話」が語られるのだけれども、本当にアメリカの神話だったのは穏やかな片田舎の街に住む善良で清貧な人々だ…とかまあ色々です。人も、また神々も、結局はもっともっと古いモノの上に乗っているだけだって、そういうことかなあ。オススメです。
ところで作中にはオーディンを始め北欧やエジプト、ブードゥーなど100柱以上の神々が登場して著者の博学ぶりをかいま見させてくれる(結局中二病じゃないのかという気もする)のだけれど、幸か不幸か日本の上位世界の神々はひとつとして登場しない。
それはまた、別の次元のはなしである。次のように、語られる。
私の知っているある男が都市の喧噪の中を歩んでいるときに、雑踏の只中から神の実存を告げる何者かの声を聞いたという。顔も見えず姿形も確とは判らないその者は、しかしはっきりと彼の耳元に聞こえる言葉でこのように告げていたそうだ。
「茅原実里は神。」
うん、まーそこ秋葉原のど真ん中だったんだけどな( ゚Д゚)y─┛~~
しかしオリンピックでも3位より2位の方が上位である。よって2次元世界の方が我々自身よりも上位で高尚で貴尊であることに何らの疑いもない。故に最も上位な世界の神(それは唯一にして絶対であるので決して複数形にはならない)は以下のような形を成す。
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神、点にしろしめす――
なんてな。