ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

米澤穂信「遠まわりする雛」

遠まわりする雛

遠まわりする雛

色々遠回りして読んだ古典部シリーズ第四弾にして初の短編集。採録は時系列順だが初出は異なる。既刊三冊のあいだ(と少し先)に起きた小さな出来事、事件をいろいろ解決して結果名探偵折木奉太郎は罠に落ちる。

いや、罠ではないが。
まあ、似たようなものだ。

一編だけちょっと毛色が違う…といっても舞台が夏合宿の温泉だというだけ*1で内容自体はブレていないものがあって、初出をみたらそれだけまだ古典部がまだスニーカー文庫時代の作品だった。なるほど〜

多少の贔屓目があると自覚しながらもキャラクターの掘り下げや成長が執筆順ではなく時系列順に進捗しているように思えるのはやはり巧さかなと思う。単行本にまとめるにあたっては多少加筆はされてるのだろうが

(追記)やはり意図的にそのような構成が成されているのだろうと、各所感想を見て回って訂正。すごい人だなあ、うん。

「大罪を犯す」を読んで漸く「愚者のエンドロール」ってタイトルが意味するところに気がついた*2自分が言うのもなんだけど、初出一覧を見る限り遠まわりしたのはお雛様じゃなくてお内裏様だろうとニヤニヤしてみる。「いいえ。もう春です」ニヤニヤ

しかし入須先輩はスゴいなー。てっきり今回は出てこないのかと思ったがいやものっそ破壊力です。

*1:基本はこれご町内ものだと思う。小市民シリーズもさよなら妖精もそんな感じだよな

*2:モノスゴク今更だが千反田えるのことだったんだな