- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/08/21
- メディア: 単行本
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ホントは小説じゃなくて連続エッセイなのだが「小説宝石」に連載されてた虚実取り混ぜ妄想風味の一冊。行間から察するに多忙の合間を縫って実生活と虚構を適度にブレンドした面白文章を目指した者と思われる。
主題となるのは職場の同僚の家が所持する竹林を手入れして…なのだがその実脱線ばかりでなんとも益体のつかない話だ。と、こう言ってしまえばまるで外れたラーメン屋で食わされるふやけたシナチクのような印象を受けるかも知れないが、どっこいそんなことはない。益体のつかなさが高級豚饅頭の中の竹の子のようにしゃりしゃり美味しく食べられるのは矢張りこれ森見氏の文才故であろうなぁ…
オモシロければなんでもよし!
ツマラナければぜんぶだめ!!
常にそういう精神でありたいものだなと思います。
竹林ならぬ「聖林」の映画祭では卑賤なことに日本古来の伝統漁法に従事する方々をコッソリ盗撮して「これは娯楽作品です!!」などと嘯く輩が賞を獲ったと聞き及び「そんなツマラナい娯楽映画など絶対に見に行かんぞ!」などと若竹のようにぐいぐい伸びる憤りに身を任せつつ。
思うにあの手の連中はイリエワニの餌食にでもすればよいのだ。