- 作者: 並木伸一郎
- 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
- 発売日: 2010/01
- メディア: 単行本
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地球は笑われている!
今、宇宙に漂う幾千の星から、
恐るべき侵略の魔の手がのびようとしている
彼らにとって、人類の科学など
お笑い番組に等しいのだ。
上記引用文は本書と直接関係はない。自分が中学生の折、とある疾患で入院中に目にして衝撃を受けた雑誌記事からの引き写しである。ちなみに「ムー」ではないし「AZ」でも「トワイライトゾーン」でもないぞ。むかしはこういう雑誌がいっぱいあったなあ。つまり人類自らの手によってネタや芸風を高めていかないと、宇宙からの見物客に飽きられてしまいますよということなのだ。このままだと地球は永遠に宇宙の「あらびき団」員的地位を卒業できないぞ!ナンテコッタ。
で、本書ですが。
斯界の第一人者による40年にわたるUFO研究のあらましを、世界各地のUFO事件を系統別に分類し羅列してみるという手法によってまとめたものです。アブダクションもあるよ!なにしろ未確認ですからして、未確認な事象も多いです。いやそれしかありませんが何か?確認されたらそいつはもう「UFO」じゃないのだ〜。
「アダムスキー」とか「キャトルミューテレーション」「3mの宇宙人」などこの分野ではもはや古典芸能の地位を確立しているエピソードから、最近ではプラモにもなってる「三角形UFO」やインターネットで話題になった(消えたお笑い芸人ではない方の)「ドローンズ」など最新の情報も網羅し、薄らぼやけた記録写真と想像力を心の底からギュウギュウ絞り出すイメージイラストが多数収録されてます。何気ない記述の端々にもNASAが衛星写真に写り込んだUFOの影をエアブラシで修正する作業を21世紀になってもまだそんなことやってたなど驚愕の事実が次々に明らかに!されます。近年だと2004年3月に起きた「メキシコ空軍機事件」が記憶に新しいところでしょうかいやあれは驚いた。ビックリした。「メキシコ空軍がUFOの実在を発表」って事件なんだけど、そもそもメキシコ空軍は実在した!!とかいろんな意味でなー。
でもね、読んでいていろいろ考えさせられましたよ。とかく研究者の皆さんは「政府」の発表を信じません。それはアメリカのみならずソビエト/ロシアだろうとブラジル政府だろうと、常に「個人」の側に立つ。これはノーベル文学賞候補予定希望ンヌ作家村上春樹の言ってた「コンクリートより卵へ」講演と論を一にするもので、むしろUFO研究家の方がずっとずっと先取りしていました。例え地球のどんな場所のどんな人であっても、相手の学歴や職業年齢・人種も性別も関係なく、突然ニュージーランドから届けられた暗号の手紙やラジオ番組の匿名の電話であろうとなんでもかんでも、とにかく証言は信じる。
ひとの目にしたもの、耳でとらえたもの、後催眠暗示で甦った記憶やその他モロモロ全肯定。
ひとを信じる喜びは、ひとを愛する幸せです。
オカルトの半分はやさしさで出来ています(゚▽゚*)
このデジタルでバーチャルで画像加工万能の時代、釣りや煽りや騙りやオレオレ詐欺と人間不信が蔓延する現代にあってもういちど「おもいやり」と「まごころ」を以て世界のひとたちと接していこうと、UFO研究はそんなことを教えてくれるような気がします。俺達がコンタクティーだ!
(´-`).。oO(あとの半分はたぶん「売名」で出来てるんじゃないかなぁ)
ところで本書にはやたらと「素直に考えれば○○の可能性も考えられるという説が唱えられている」みたいな構文が続出するので読んでるとだんだん日本語能力が低下してくるのが自覚症状として認識されます。しかしその筆致自体は真面目なのであいにく腹筋を鍛える役にはたちません。それと残念なことにそもそもこの件について知りたくて読んだのに「ウンモ星人のUFO」についての記述がまるで無かった(´・ω・`)
まあしょうがない。アレはもうインチキでペテンでデタラメだってぇバレちまったから、正体が判った物はもはや「UFO」ではないのでぃす。「宇宙人ユミット」なんていやしませんから全然気にするな。忘れろ。口に出すな。2012年に人類わわわわわわわわ
まあ落ち着いてカップ焼きそばでも食え。