- 作者: 上遠野浩平
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2011/07/29
- メディア: 新書
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ソウルドロップのシリーズもいちおう読み続けてはいるのだけれど、毎度毎度「お嬢かわいいよお嬢」以外の感想が特に浮かばなかったので記録は挙げてなかった。
けれど今回ちょっと面白い。面白い時の上遠野浩平のよさ、らしさってこんな感じだよなーと久しぶりに思わされたような。なにが違うんだろうね。作品の中核になるのが手品、マジシャンだってことはかなりウェイトを占めてるはずで、手品師モノってどこか寂しく、なにか諦観に満ちてるのが多いように思うんだよな。タネもシカケもあるところ、「嘘」であること。その上で騙される楽しみを甘受すること…映画「イリュージョニスト」や「シゴフミ」の手品師の話とかよかったなーとか。
「本物ではない」ってことでは模型も同じなんだけど、模型モノやモデラーを扱ったフィクションって特に寂しくも諦観もねえなあ。
結局みんないい人めでたしめでたし。のハズなんだけど、例によってペーパーカットの犯罪は成功し素子のキャビネッセンスは奪われてしまう。それは、よいことなのかな…
トリート先生のキャラは面白いです。ロボット探偵の千条と話が噛み合うシーンは抱腹もの。こういうとこ好き好き。そしてお嬢かわいいよお嬢。
…しかし祥伝社のなんでもかんでも「伝奇小説」にしちゃう姿勢ってどうなんだろう。伝奇小説がブームだったのって随分前だぜ。