ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ガンダムビルドファイターズ

おもしろかった。とてもよかった。どこが面白くてなにが良かったのかを書き出すとガノタのウザい自分語りになりそうなんで止めておくけれど、全編に漂うコメディの空気感が、ここんとこ閉塞感だらけだったガンダムシリーズの雰囲気を吹き飛ばしてくれて良かった。その分設定的な掘り下げ・辻褄併せは見ているこっちがびっくりするぐらい何もやらなかったので、苦手な人は苦手だったろうなあとも。

新しいものを構築するより過去のデータベースから適当に見繕って味付けを変えたほうが広いファン層に訴え得るという構図はBFもUCも同じことなのでしょうけれど、切り口を「ガンプラ」にした分SD層も取り込めたしオリジナルの諸作品とはちょっと階層の異なる次元(?)のお話を作れたのが良かったのでしょうね。23話のモブキャラ大量出演が良い例えか。しかし歴代ガンダムシリーズってよくもまあここまで救われない人間関係を散々描いてきたものだなぁと、ちょっと頭を抱えた回でもあったのだが。

エクシアやビギニングが優遇されているのはムフフと笑うところとして、最終話で最後に駆けつける援軍が「父親の操るパーフェクトガンダム」だってところに涙腺壊れるわけですよ。そうね、プラモ狂四郎世代ってもうその年齢だもんねって述懐とともに、このパーフェクトガンダムこそが1stテレビシリーズ製作当時作画スタッフのひとりだった板野一郎が仕事の合間に手慰みで描いた史上初の「俺ガンダム」だったりするので色々感極まるところなのですよ。ガンプラはどんな自由な発想で作ってもいいんだ!の元祖なんだよな*1

最終話で唯一気に食わなかったのはチナとアイラが犠牲になってセイとレイジを守る流れで、いかにプラモとはいえ女の子を盾につかっちゃうのはボーイズとしてどうなのよとおじさんプンスカしたんだけどさ、プラモデルをまじまじ見つめて考えたらベアッガイIIIもミスサザビーも も の す ご く デ カ い 機体ですから、盾代わりに使われるのも自然なことかも知れない(w

20年前にGガンダムをやってたことが、その後のガンダムシリーズを幅広く展開させるきっかけになったんだよなと再認識させられる面も多々ありで、なにかと考えさせられる面も多い。それがまたよい。あとドラえもんメソッド最強、おおむね6巻まででイナフ。

*1:あくまで「落書き」に近いものだったので、そのデザインが整理されて狂四郎のパーフェクトガンダムやMSVのフルアーマーガンダムに生まれ変わるのはしばらく経ってから