- 作者: 田中哲弥,大森望,日下三蔵
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/12
- メディア: 文庫
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創元SF文庫のオリジナルアンソロジー「年刊日本SF傑作選」第1弾、2007年分。現在までに至るシリーズの開幕ということで序文や解説には編集方針などの意気込みが強く打ち出されている…といっても先にいくつか読んじゃってるのでなんというかその、あー、スイマセン、読み遅れています。
いくつか読んできたものにくらべてベテランの度合いが強いように感じるのは気のせいかな?かんべむさしとか久しぶりに読んだなあ。初読の作品では八杉将司「うつろなテレポーター」と北國浩二「靄の中」が良いです。前者は量子コンピューター内部に構築された仮想の世界と仮想の人間と聞いただけで血中ゼーガ濃度が増しますが、量子テレポートと多世界解釈を採用する世界観だからこその、個人に重点を置いたラヴストーリーは素敵ですね(きゃっ ←きゃっじゃねー)後者はいわゆるブレードランナー的な人狩り小説なんだけど、むか〜しこんな感じで「ウルトラセブン」をアレンジしたらおもしろいかなーとモヤモヤ考えてたことがあったのを懐かしく思い出した(笑)
円城塔「パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語」解説に「本篇の中身はよくわからないので解説できないが」などと堂々と書かれていたのに衝撃を受けるけれど、読んでみるとなるほどわからん(w それでいいんだろうなあきっと。
それでやはり伊藤計劃の「The Indifference Engine」は何度読み返しても面白いなあ。日本で映画「ホテル・ルワンダ」が公開されたのっていつだっけあー 年ですか。ともかくあの映画やP・W・シンガーの本を読んでショック受けてたときの空気を同時代的に共有できるような、そんな感じのやるせなさで、まだご存命だったのねこの時はね。
やるせねえねあ。
「The Indifference Engine」を読み直したくて手に取ったんだけど、全般面白く読めました。