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ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

小川一水「コロロギ岳から木星トロヤへ]

コロロギ岳から木星トロヤへ (ハヤカワ文庫JA)

コロロギ岳から木星トロヤへ (ハヤカワ文庫JA)


未来からのホットラインというのも時間SFではままあるテーマですが、西暦2231年の木星前方トロヤ群小惑星から届いたSOSに、2014年北アルプスから助けるお話し。時間も空間も隔てた両者を繋ぐ高次元生物*1カイアクがタイムパラドックスを書き換える様子、登場人物の現実認識が変転する様を正面から力強く記述する様が面白かった。

読みやすいボリューム、親しみやすいキャラクター、適度にスピーディな展開と実に良くできていて、星雲賞取ったという話も納得です。まあ、もすこしふくらませても良かったんではあるまいか…と、思わなくもないが。2014年側の主人公、岳樺百葉が救助活動をサポートする才谷煌海との間で腐女子的に盛り上がるところは如何にもフックなのだけれど、確かに笑える筆致でそのあたりもいろいろな方面におすすめなのでしょうなあ。

でその、現実が書き換えられる瞬間というのは活字でこそ出来てもマンガじゃやり辛いのだろうなと、ドラゴンボールのセル編でそれを一切やらなかった鳥山明はむしろ偉かったんじゃないかなーとか思ったのだ。アニメだと「世紀末オカルト学院」が非常に巧くやってたけどな。

*1:という言い方が正しいのかどうか?