- 作者: ジェラルドカーシュ,Gerald Kersh,西崎憲,駒月雅子,吉村満美子,若島正
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/11
- メディア: 文庫
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#カテゴライズはあくまで便宜的なものであって深い意味は無い
カーナッキが面白ければきっと楽しめるだろうと言われて手に取る。おお、確かに面白いなー。
いわゆる「奇妙な味」という種類の小説だろうと思う。とっさに挙げられるのはロアールド・ダールなどか。カーナッキが面白かったのは連作短編のひとつひとつが現実性と超常性の「どちらに落ちるか分からない」感覚だったのだけれど、これらは「どこに落ちたのか分からない」と言うかぼんやりした不安、あるいは「ジワジワ来る」とでも。
基本的にどの話も「語り」で著述されているのが良いのだろうなーと思う。それは「騙り」でもある。奇想なアイデアの数々には「どうしてそんな話を思いついたんだ」と賛辞を贈りたい。この2点どちらも巻末解説で同じこと書いてあってうん、まあ、よいか。
アンブローズ・ビアス最後の書簡を収めた*1表題作と騙りの語りが現実的に力を得るような「破滅の種子」がお気に入り。あと「死こそわが同志」と「ブライトンの怪物」の2本を執筆年を考慮して読むと面白い。第二次大戦前後でカタストロフ感(何)っていろいろ変わったんだろうな…
初見の外国作家で角川文庫、教示戴かなければまず手にとることは無かったろうと思う。あらためて感謝を。