ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

メフィスト編集部・編「学び舎は血を招く」

学び舎は血を招く メフィスト学園1 (講談社ノベルス)

学び舎は血を招く メフィスト学園1 (講談社ノベルス)

こんどはメフィスト学園で道場の方*1と対になる一冊なのか?嫌な学園だな(笑)

えーと、実は6本ある中の最初の二つが××(伏字)過ぎで途中でブン投げました(比喩的表現)。何の意味も無く突然終わる竹本健治の「世界征服同好会」はともかく、楠木誠一郎の「殺人学園祭」がちょっと酷くて読むに耐えられない。この人青い鳥文庫にも書いてるみたいだけどそっちもこんな調子だったら子供だましにも程がある。

…で、あんまり酷いなという自分の感じ方は果たしてどうなんだろうとネット上の感想文を散見してみたらまー酷い事しか書いてないのでそんなに酷いならいっそ全部読んでみるか…と、読んでみたら残りの四本は面白かったのでいささかフクザツなキブン。結果として最初の2本がハードル下げたってのもあるかも知れませんが。

賛否両論多い古野まほろを「敲翼同惜少年春(センチメンタル・レヴォリューション)」で初読み。いやこれ面白かったですよ?病的でインチキ臭くて何をやってるんだかさっぱりだってところを差し引いて(差し引き過ぎだ)文章のノリとイキオイに淫する楽しさか。天帝シリーズに手を出してみようかな。1969(昭和44)年が舞台で特高警察が存在するような世界の学生運動の集会でジークジオンと気勢を上げるぐらいに突き抜けてれば、コクリコ坂も見に行ってたかも知れない(笑)

その他、福田栄一「闇に潜みし獣」と日日日「かものはし」の現代に生きるだけでもうそれは罪科みたいな話は好みながら、結末に置かれた門井慶喜パラドックス実践」のさわやかな幕切れがああ、学園っていいな(ナレーション:和風総本家)と思わされる。地に足のついてない、その加減が良いのさ。

しかしベテランの書き手の方が××(伏字)ってアンソロジーはどうなんだろうね。