ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

瀬名秀明「大空のドロテ I」

大空のドロテI

大空のドロテI

瀬名秀明によるアルセーヌ・ルパン物のスピンオフ作品。ルパンシリーズは子供の頃にポプラ社版を、実はホームズよりも少年探偵団よりも読み込んでいたりする。本作のベースになった「綱渡りのドロテ」はルパンこそ登場しないものの、ヒロインのドロテを始めとする少年少女たちが活躍するなかなか面白いもので、よく印象に残ってます。今調べたらポプラ社版では「妖魔と女探偵」ってスゴイ邦題でしかも現在は読めなくなってるみたい。ちょっと残念ですね…。

全三冊の第一巻、時系列的には第一次大戦後、「虎の牙」事件の頃…なんだそうだが、いかんせん「虎の牙」はさっぱり覚えて無いのでよくワカラン。サーカスの空中芸人ドロテと飛行機技師のタマゴとなる少年ジャンが巻き込まれていくプランタジネット王家財宝と孤児ドロテの親、父親の正体は果たして怪盗アルセーヌ・ルパンか否か、といったあたりのあくまで導入部か。決して児童向けに書かれたものではないけれどそういう種類の爽やかさを(ある程度は)期待して読んでいたらジャンの祖父が冷酷に射殺されたのでちと驚き。

しかしなんですねその、

・ヒロインのドロテはサーカスの芸人
・ドロテが持つメダルが両親との手がかりにして財宝の謎を解くカギ
・主人公のジャンはフランスの片田舎で飛行機作りを夢見てる
・正体不明の怪人物(とその部下たち)が執拗にドロテとメダルを狙う

要素だけを書き出してみるとルパンとゆーよりナディアじゃねーのコレ?(笑)

<追記>

こちらのページ http://www2s.biglobe.ne.jp/tetuya/lupin/lupin.html をいろいろ読んでみて、あらためて自分がいろんなことを忘れたり勘違いしたままで本書を読んでみたことに気づかされる。どうも瀬名秀明はかなりトリッキーな作品設定をやっている…ような?amazonのカスタマーレビューでも誤読されてる方がいるみたいで。