ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

モーリス・ルブラン「オルヌカン城の謎」

子供の頃にホームズや明智小五郎と少年探偵団など、いろんな探偵小説をポプラ社の全集で読んだものですが、なかでもいちばん読み込んだのは「怪盗ルパン全集」でした。それでいま思うと不思議なんだけれど、印象に残ってるのはルパンが出てこないやつばっかりなんだよね。「妖魔と女探偵(綱渡りのドロテ)」とか「魔人と海賊王(ジェリコ公爵)」とか。とりわけ好きだった一冊に第一次世界大戦を舞台にした「ルパンの大作戦」asin:4591001806というのがありまして、このまとめをみてたらふとオリジナルを読んでみたくなりまして…

まあなんだその、聞いてはいたけどずいぶん違う話・・・だなあ。ポプラ社のシリーズは翻訳者南洋一郎が相当のアレンジ(翻案)を加えていて、自分が好きだったのはその部分だったのだなーと、戦争の災禍や平和の尊さを訴える部分はまるでなく、ドイツ憎しの主張がストレートにほとばしる、軍事探偵小説というか愛国趣味に近いものが。第一次大戦終結直後の作品だから、それは仕方がないのかな。

創元推理文庫版の表紙にはいかにもルパン(リュパン)でございという人物が描かれてますが、本編では2ページしか出てきません(笑)