ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

月村了衛「土漠の花」

土漠の花

土漠の花

幸いにして、日本の自衛隊が戦争をやるのはかなり面倒臭い所業である。故にフィクションの世界では戦国時代に飛ばされたりクーデターをやってみたり突然侵略されたり最近だとファンタジー異世界に侵攻したりするそうな。そうやって「非日常」に投げ込むことで面倒臭さはいわば回避されるわけなのだけれど、そういうところでも面倒臭さに向き合わなきゃならんのが自衛隊を題材にするということかな、と思う。いや向き合わない作品だって山ほどあるでしょうけれど。

月村了衛の「土漠の花」は割と簡単なストーリーだ。自衛隊ソマリアにいる。お姫様が現れる。悪者が襲ってくる。逃げる。逃げる。逃げる。つまることろそれだけなのだけれど、登場人物が全員面倒臭い人物だというところが、自衛隊戦争フィクションなんだろうなあ。

爆裂四散が日本人のお家芸なのは、ニンジャスレイヤーに指摘されるまでもなく。

綺麗な話に落とし込んだ分、胡散臭い読後感しか残らないのはアレなんだけどな。