ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

施川ユウキ「バーナード嬢曰く。」

別にSFマンガじゃないんですけど、読んでヒットしたのが全部SF関連だったんでまあいいか。「今日の早川さん」が好きな人ならよく合いそうな“読書家あるある”マンガです。「バーナード嬢」というのは読書家でもないのに読書家ぶろうとするヒロイン町田さわ子さんのニックネーム(自称)ですけれど、初期の話数でしか使われてないのであんまり意味のないタイトルだったりする。連載開始当初は名言・格言を題材にしたギャグマンガだったものが書籍ネタ(主に文芸作品)に路線変更したとかどうやらそんな感じで。

メインキャラクターはたったの四人しか出てきませんが、主として学校の図書室を舞台そして限られた人物、限られた状況で進行されるシチュエーションコメディのようなものか。とりわけお気に入りなのは神林しおりなるSFファンのキャラでまーこのひとの言動にいろいろヒットしまくるわけだ。大抵激怒してたり暴力行為に及んだりするけどSFファンなんてそんなもんだよな(問題発言)

「ディックが死んで30年だぞ!今更初訳される話がおもしろいワケないだろ!」とか「おもしろくて読みやすくてかつ読んだら読書家ぶれるから読め!」とマイクル・コーニィの「ハローサマー・グッドバイ」を勧めてくるところとか共感するところ大なのですが(サンリオ文庫が高くて買えないというのは実に高校生SFファンらしくてホロリ)実はこの人

ゴセシケ

好きなひとなのであるおおぅ同志よ。本書の108ページから111ページまでの展開がまったく自分と同じすぎてお前は俺かと、そういうところが実にこう、なんでしょうねえ。生涯ベストにオーウェルの「一九八四年」を推してくる女子高生も大概だけど、考えてみれば自分の生涯ベストだってヴォネガットの「母なる夜」なのであった。高校生の頃から。