ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

マイケル・ムアコック「スクレイリングの樹」

スクレイリングの樹―永遠の戦士エルリック〈6〉 (ハヤカワ文庫SF)

スクレイリングの樹―永遠の戦士エルリック〈6〉 (ハヤカワ文庫SF)

う〜ん、正直今回は難物だった。「ムアコックは冗漫だ」と言う人の意見がなんとなくわかった。前回がノリノリだったんで反動も大きいのかな?
ムアコックと北米インディアン(いやネイティブアメリカンでも構わないが)という組み合わせに違和感を感じたのか、珍しく章立てごとに語り手の変わる一人称で、どの章でも巻き込まれ型の展開で一体なにが起きているのか最後までよく解らなかったりするためか。自分自身に北米インディアンの文化伝承に関する知識が欠落しているので度々引用される詩歌作品の類にノレなかったからとは思う。原著は2003年刊で、少なからず現代のグローバル化社会に対する視線が感じられたりと、どこか異質な感じを受けることもまた確かではあるのだが。

ただ一カ所どきりとさせられるところがあって

カカタナワ族は征服者のオーソドニーのものたちを、ガラガラ蛇をあらわす<エレコーセ>と呼んで、名前同様のふるまいをするその戦士たちを避けました。<エレコーセ>つまりフランス人にはイロコイ族と呼ばれていた種族ですが

エレコーゼってUH−1だったのか!(違)

余談だが解説によると早川はエレコーゼの新装版も予定しているらしい。「剣のなかの竜」がまた読めるとは嬉しいことだ。