ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

レスター・グラウ/マイケル・グレス編「赤軍ゲリラ・マニュアル」

赤軍ゲリラ・マニュアル

赤軍ゲリラ・マニュアル

素晴らしい装丁と“The red Army's Do-It-Yourself, Nazi-Bashing Guerrilla Warfare Manual”という原題に心を鷲掴みされてよし明日から俺もDo-It-Youeselfだ!!と思いつつ読んでみたらあんまりそういうことは書いてなくて、極めて普通の野外戦闘マニュアルでした。破壊工作とかはね、あんまり載ってないの。(´З`)チェー

むしろ銃器の野外整備、フィールドストリッピングについて結構なページが割かれているのに驚かされる。元本は1943年刊行の物なんで、ソ連軍がまともな戦闘行為を行える時期の産物です。いつまでも「銃は二人で一丁だ」ではないので、致命的な損傷を発見したらそのライフルは交換すべきである。てなことが書いてある。訓令だけ見て言えるものでは無いけれど、日本陸軍より火器が充足しているように思える…

銃器整備に関してはドイツ軍のものも解説しているのはいかにもパルチザン向けか。対戦車戦闘マニュアルで例示されているドイツ軍戦車のイラストが一号戦車なのはむしろ当然で、戦線後方で活動する非正規部隊なら主力戦車とは交戦しないわな。カムフラージュやら伏撃や、ことパルチザンに限らず小規模の戦闘部隊が活動する為の一般的な教本としても読める内容かと。

面白いのは編者のひとりマイケル・グレス氏がロシア名をミシャという*1ソ連軍の軍人で、子供の頃このマニュアルを読んでみんなで「パルチザンごっこ」に興じていたのが懐かしくて復刻したという、そんな刊行エピソード(w

*1:本名はミハイルとかミハエルって言うんだろうな