ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

シド・ミード「MEAD GUNDAM 復刻版」

MEAD GUNDAM [復刻版]

MEAD GUNDAM [復刻版]

自分にとってターンエーガンダムとの関わりは随分と不幸なものでした。初めてニュータイプ誌に発表されたデザイン群を見た時はマジで15分間頭を抱えて凹んだものです。目撃者の話によると


「スモーってなんだよ…スモーってなんだよ……」


とかブツブツ呟いていたらしい。危ない人だな俺。結局そのインパクトが大きすぎてTVシリーズ本編も劇場版その他関連コンテンツもほとんど接していない(何故か1/144のプラモはいくつか作っている)まま、後になってから「やっぱり見ておけばよかった…」と後悔しても後の祭り。そのバスには乗れずじまいでした。SEEDの時は「バスに乗り遅れるな!」とばかりに迷わず飛び乗って後悔したんだけどな(w


本書も初版刊行当時から良書だと言われ続けてきたけれど、気がついた時には到底入手不可能で、マスターグレードのプラモが発売されたのを機に「復刊ドットコム」で投票し漸く目出度く復刊であります。

いざ読んでみて、やはり面白い内容。日米におけるカルチャーギャップやデザイン感の差異を乗り越えてのヒゲでありスモーでありターンXで!あると!!思わされますよ御大将。ラフスケッチスキーにはたまらない内容だな。文句を言うなら全部ではないが各デザイン画への解説(サンライズスタッフの堀口滋氏による)が巻末にまとめられてていささか参照し難いことか、でもその不便さもメインページ自体をシド・ミードのスケッチとメモだけで構成する編集方針だからだろうと、それは想像に難くないのでよしとすべきか。

兵器類をボディに内装させることにこだわるミードと銃火器を腕に持たせようとする日本側スタッフのミリタリー観の違いはちょっと面白い。大半の日本人にとって「銃を撃つ」行為はエキゾチックでSFロボットに相応しいものかも知れないけれど、アメリカ人にとってはドメスティックで人間的に過ぎるのかも知れないなーてなことを思った。