ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

摩耶雄嵩「あいにくの雨で」

あいにくの雨で (集英社文庫)

あいにくの雨で (集英社文庫)

講談社ノベルズ版が出てたのはもう20年近く前になるのかー。はじめて読んだ摩耶雄嵩が本書で、全部を読んだわけじゃないけどこの人の作品ではこれが一番好きだな。再読したくてもなかなか目にすることが無かったのだけれど、いつのまにか版元変えて文庫の新装になってました。

いわゆる新本格がブームだった(?)最後の時代のミステリーじゃないかと思うけど(実際その辺よく知らんのだけど)、殺人事件も謎解きも真犯人も実にどうでもよくて、「おれたち親友だよなー」という三人組の高校生の、実に断絶している様が良いのさ。

受験勉強も部活動も恋愛も適当に済ませている高校生が、諜報活動に血道を上げる展開はやはり素敵だ。人生はスパイ、スパイは人生。