ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ハーヴェイ・ジェイコブズ他「グラックの卵」

 

グラックの卵 (未来の文学)

グラックの卵 (未来の文学)

 

 前に読んだけど感想書いてなかったーと読み直したら実は読んでいなかった。という一冊。冒頭に収録されているネルスン・ボンド「見よ、かの巨鳥を」だけ読んでそのまま図書館の棚にそっと戻していたらしい(笑)

浅倉久志翻訳・編集による「英米のユーモアSF、その中でも翻訳紹介される機会の少ない中篇を主体にしたアンソロジー」で、要はバカSFアンソロです。こんなにスマートな装丁なのになwww

さすがに海外SF界でも巨星だったひとの眼鏡に叶った名品・珍品ばかりで面白いのよこれが。先に挙げた「見よ、かの巨鳥を!」は宇宙空間をデカい鳥が飛んでくる話だし、ジョン・ノヴォトニイ「バーボン湖」はアメリカの片田舎にバーボンで出来た湖があるってだけの話だし、ワン・アイデアで馬鹿馬鹿しくも、それでも楽しく笑える小品が多い。しかし一番ボリュームのあるジョン・スラデック「マスタースンと社員たち」がちっとも笑えなかったのはなんだ、俺が社会不適合者だからだろうか…

表題作「グラックの卵」はある大学教授が遺した幻の珍鳥の卵をめぐる、ドタバタ争奪戦と艶事ラブコメディが続く軽妙なタッチのアレなんだけど、オチが壮絶すぎる。

初読当時なぜ棚に戻してしまったのか俺の馬鹿馬鹿!!