ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

バリントン・J・ベイリー「ゴッド・ガン」

 

 この人の本は10代の頃に「禅銃<ゼン・ガン>」と「カエアンの聖衣」を読みました。どちらも傑作で、特に後者はクライマックスの章のページを開いた瞬間、大変に興奮しゾクゾク震えたことをよく覚えている。ネタバレなので詳しくは触れませんが、新約版などで現在でも入手可能、おすすめです。

 

それら「ワイドスクリ-ン・バロック」の代表例みたいな長編に比べればやはりこじんまりした短編集だけれど、表題作「ゴッド・ガン」の、神を殺したくなったので神を殺せる銃を作りました。神はどこにでもおわしますのでどこから撃っても殺せます。ほらね。というぐらいのド直球ストレートぶりには感服を覚えます。マッドサイエンティスト的な話はいくつかあり、どれもまったく悪びれることなく素直にマッドなところは痺れる憧れる。

 

そのうえで、決して地球ではない世界の決してカニではない生き物たちの性春群像(タイポではない)を描いた「蟹は試してみなきゃいけない」の爽やかさには胸を打たれるものがあり。