神保町ブックフェスティバルに出かけて文華堂で購入。「丸」の古い記事をあつめて単行本に仕立てたもので、いまなら文庫もありますね。目次を見たら戦車十四連隊で鹵獲M3軽戦車を運用した話があったんでその辺目当てで読んでみました。
中身についてはまあいろいろだな。そのM3軽戦車のエピソードも含めて後年の軍事雑誌や模型雑誌記事の元ネタとなったと思しき記事も見られて興味深いところではあるけれど、執筆者ごとの温度差というか三菱重工などの「戦車を作った側」の記事がどうしてそんなにあっけらかんとしてられるのか、なるほど当時を思えば全力を尽くして産み出したものには違いないのだろうけれど、前線で実際に「戦車を使った側」に漂う悲壮感とのギャップがどうも、読んでいて落ち着かない。全部が全部司馬史観であれなんて言わないけどさ「世界に誇る九七式戦車の特徴と魅力」ってなあ…
その辺も含めていかにも昔の「丸」らしい本で、やや距離を置いて読んだ方がいいとは思うけど、初版発行2012年、個別の記事の初出年号も記されていないので、これではじめて日本戦車に接する中学生とかいたらどうしましょうね?
ちなみに、「戦車を使った側」、前線での体験をつづった手記のなかにも(これは相当盛ってるのではないか…)みたいなものもありました。そういうものだと思って読めばまあ、いいのだろうけれどね。