ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ボリス・ヴィアン「北京の秋」

 

ボリス・ヴィアン全集〈4〉北京の秋

ボリス・ヴィアン全集〈4〉北京の秋

 

 

舞台は北京ではなく、季節は秋ではない。十代の頃「ツイン・ピークス」とか「伝染るんです。」に代表されるような不条理がマイブームだった時期があって(笑)、ボリス・ヴィアンもその頃にいろいろ読みました。なかでも本作が一番面白かったんだけど、その後何年かたってボリス・ヴィアンが再評価(なのか)された時には全然取り上げられなかったんだよねー。かなり久しぶりに読み返してみたらまあこれは再評価もされないわなと納得してしまったわけだ。なにしろ変な話だw

何が起こるというわけでもなく、じゃあ何もおこらないのかというとそうでもない。世捨て人の住まうエグゾポタミーの砂漠に集う様々な人々が、そこには技師も医者も刑事も恋人たちも様々にいるのだけれど、誰もが見な世を捨てているようでさりとてそうともいい切れず、なんだかフワフワした空気のなか鉄道は敷設され、しかし人々はぱたぱた死んでホテルも鉄道も崩れて行く。

 

変な話だなあ。

 

なんかね、映画向きなんだと思います。スチームパンクというか前衛不条理ローテクSF映画みたいな雰囲気。なんだそれ。