ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

小泉悠「徹底抗戦都市モスクワ」

 

徹底抗戦都市モスクワ 戦い続ける街を行く!

徹底抗戦都市モスクワ 戦い続ける街を行く!

 

 若手軍事評論家として最近はNHKなどでもよく出演されているイズムィコ先生はじめ軍事クラスタのお歴々による現代モスクワ観光ガイドブック。観光ガイドブックであるから当然これからモスクワを訪れる日本人旅行者(軍オタ)向けに書かれた実践的な内容なのだけど、まあ自分が生きてる内にモスクワ行くことなんてないでしょうね(笑)

まあでも、テレビのグルメ番組も旅番組も、むしろ絶対に行けないだろうと思ってみたほうが素直に楽しめたりもするもので、この本も素直に楽しめました。プーチン政権下による反映するロシア、2016年の現状を記録する貴重な一冊です。

速水螺旋人、名城犬朗両氏によるイラストやコラムも楽しくて、たとえロシアに行く予定も計画も無いという人でも、かつての鉄のカーテン時代と比べて大きく開放された今のロシアと、それでも開放されない今のロシアの、複雑な国情の片鱗に接することが出来るでしょう。

 

むかしソ連趣味に足を踏み入れたころ、コミケに出ていた「PVO」というソ連軍研究サークル(当時はソ連研究サークルなんてそこぐらいしか無かった気がする)が、ガイドブックというかモスクワ旅行記を本にしていて、そちらは1991年、ソ連最末期の現状を記録していました。読み比べるとこの四半世紀のロシアの変貌というものを感じて、まあ面白いもんです。自分は変わらずボンクラですw