人類補完機構全短編第3巻。3冊を通じてしみじみ思うに、どうも自分はコードウェイナー・スミスとは合わないらしい。全編を通じて確かに気になるキャラクターや詩情に満ちた用語・タイトルは見られたけれど、作品として、小説としては正直そんなに面白くは、無かった。残念なことではある。
本書の中核をなすのはキャッシャー・オニール四部作なのだけれど、そのなかでも番外編とでもいうべき「三人、約束の星へ」が今巻収録作品ではいちばん楽しかった。が、その楽しさというのも「上遠野浩平の虚空牙シリーズみたい」だから、というなんとも本末転倒した感想で、やっぱもっと早く読んどくべきだったのかも知れないね…
本書後半の作品群については旧版の「第81Q戦争」で読んでるはずなんだけどまるで覚えてなかった。そういうものかなあうーむ。
ところで巻末解説で、ある作品について「政府組織の右往左往はとてもリアルで」なんて書いてあるんだけどいやあ、それは、どうなの?