ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

松田未来・※Kome「夜光雲のサリッサ 01」

 

夜光雲のサリッサ 1 (リュウコミックス)

夜光雲のサリッサ 1 (リュウコミックス)

 

 COMICリュウweb掲載の航空機アクションSFマンガ。以前から原作者松田未来先生のツイートを見て興味を覚えていた作品を神保町ブックフェスティバルのお祭り気分に便乗して購入(笑)。地球大気上層、成層圏を舞台にしてそこに生息する謎の生命体「天翔体」と人類の(戦闘機を用いた)戦いを描く。ミリタリーテイストないわゆる「ロボットもの」の構造で「ヒコーキもの」をやるのは意欲的ですね。仮想戦記ブームの頃「仮想戦記のフリをして戦闘機に乗った美少女が怪獣と戦う話」を書いていたのは夏見正隆だっただろうか?(脱線の割にうろ覚えだ)

未知の生命体と戦う人類が用いるのが(大幅に改造されているとはいえ)実在する戦闘機だというのは良いなあ。成層圏まで駆け上がって空中戦をするためにすごく無理を重ねていて、それでも普通の手段では倒せない相手と対等に戦うために、ある特殊能力をもった子供たちを集めて戦場に投入する、これもお話の構造としては「ロボットもの」で多用されるものですね。全部で13人いる(らしい)なかで、本作のヒロイン隠忍(なばりしのぶってまた大概なw)の持つ能力は「周囲の人間から存在を認識されなくなること」という、平凡な生活を送るには障害にしかならない力であり、他の子供たち(火球の子、ファイヤーボールと呼ばれる)の持つ力も、大同小異当人にとっては災厄みたいな特殊能力ばかりで、そういう子供を戦闘機の狭いコックピットに放り込んで人間の辿り着く限界みたいなところで戦わせるというのは、一歩間違えたら相当ネガティブなお話になりそうなものです。

ああ、作画を別に立てたのはそういうことなんだろうな。興味がありながらなかなか実際に手を出さなかったのはキャラ絵の方向が合わないかなーと思ってたからなのだけれど、実際に読んでみたらむしろこれぐらい柔らかくないと(とりわけ松田画だと)話がキツくなりそうだ…

 

お話はまだこれから、なのだけれどハッピーエンドになってほしいですね。歳食ったな俺w

 

MiG-31XM "セマルグル" の大活躍を期待しつつ。