ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

谷甲州「工作艦間宮の戦争」

工作艦間宮の戦争──新・航空宇宙軍史

工作艦間宮の戦争──新・航空宇宙軍史

 

 

新・航空宇宙軍史第2巻。前巻「コロンビア・ゼロ」(http://abogard.hatenadiary.jp/entry/20150922/p1)に引き続いて、第二次外惑星動乱のいくつかの局面を点描していく。何本かはSFマガジン掲載時に読んでいるのだけれど、一冊まとまった形で読んでみると、ここまでカタストロフに欠ける話が連続するのに不満というか不安を覚える。あまり良い感想が聞こえてこなかったのもむべなるかな、という感じだ。外宇宙調査艦を改装した特務艦イカロス42の航跡と戦闘が、いわば主軸となるのだろうけれどひたすら肩透かしを食わされるというかなんというか。

ストーリーよりは各キャラクターの思弁で進めるのは著者の本領に近いものではあるのだろうけど、一か所明らかに文意が取れないというかおかしな著述があって、これを校正できなかったのはなんだろうなあ、編集部の責任も小さくはなさそうだ。

新年一発目にやや残念な読後感で…残念ではある。