やあ面白かった、これはよかった。大蟻喰先生相変わらず冴えわたる。18世紀フランドル地方の商人一族というか商人一族になった男の一代記か。なんていうと時代小説なんだけれど、ここに紡がれる物語はやはり現代のためものであって、男と女と生と死と愛と、あとなんだろうなあ…
人生か、やはり。
人生の在り様が、ここには描かれています。そこで大きく主題となるのはジェンダーであって、ジェンダーって結局はアイデンティティの問題なんだろうなあ。ミソジニーもミサンドリーも、どう読んだってこれは現代に人に向けられた筆先だ。そしてそんなテーマがどうこう、キャラがどうこうよりも、
文章が、ただただ文章が、
気持ちいいのよね、読んでいて。これはなんだろうなあ、リズムかテンポか、なにかそういうものかな。筆致、筆力のなせる業ですね。素晴らしい。内容よりも、そこに感服する。
読んでる間ず~~~~~~~~~~っとヤネケのビジュアルが「水星の魔女」のミオリネでイメージされていたのは、それは全部俺が悪い(´・ω・`)