ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

松田未来・※Kome「夜光雲のサリッサ 04」

 

夜光雲のサリッサ 4 (リュウコミックス)

夜光雲のサリッサ 4 (リュウコミックス)

 

 今巻では表紙(単行本版)になっているフランスの「火球の子」ダプネのエピソードに引き続き、負傷したベルトランの治療に訪れるドイツの双子、ユッテとユッタが新登場。火球の子それぞれがもつ「才能(インゲニウム)」は決して本人を幸福にはしてくれそうもない能力ばかりなのだけれど、ユッテとユッタが持つ治癒の力というのは一見して恵まれているようでいて、実は相当ネガティブな能力なんじゃあるまいかと。これならばダプネの発火能力の方がずっと便利で、自己を傷つけることは無い…いや、まぁそういうのは使い様次第なんでしょうけど。物体の時間を巻き戻すことで結果的に治癒(修復)するというのはアクセル・ワールドにも居たけれど、はたして記憶は巻き戻るのだろうか?そして能力を使わないでいると自分自身が過去に巻き戻されて幼児化してしまうというのは、これは相当ヘヴィではある。キャラクターとしては可愛いし、描かれ方も楽しそうではあるけれど*1

そしてもうひとり、ダンクのように人ならざる外観を持つ少女エデスの新登場が物語に大きく影響しそうではある。いわゆる甲冑魚のような外観でも、なかには美少女のお顔がちゃんとある。ではダンク君はどうなんでしょうねー?思うにこの子、三巻の巻頭カラーで描かれたいやそれはわからんかまあいいか。

お話としては裏表紙(電書版では表紙画)に描かれたパワーアシスト付きの新型気密服を使って、飛行船から積乱雲の中へと降下するミッションがヤマ。飛行機アクションマンガということで空中戦がメインの作品だけど、このあたりのシークエンスは「空中で深海に潜水する」ようで面白かった。ダンク君いっつも大変な目に遭いますね仕方ないですね(笑)

巻末の設定資料ページにはメカに加えてキャラクターラフも挙げられてます。「火球の子」が12人、たしかあともう一人いるのかな?ともあれキャラクターが増えた分、米露組はすっかり前座扱いとか中国3兄弟は全然出てこないとか、この辺をどう解消し盛り上げていくのかはまだまだこれから、といったところかなあ。

今後は一般社会との兼ね合いがコンフリクトしそうで、それもどう解消され物語はどこへ飛んでいくのか。

 

*1:過去に於いてはそうではなかったというエクスキューズはありました