ベテルギウスが爆発しそうだと聞いて。
んー、タイトルだけで出オチみたいな感がありますが、トランスヒューマン社会がガンマ線バーストの直撃を受けて引き起こされる事態を童話風に描いた連作短編集です。「スノーホワイト/ホワイトアウト」はこれで*1読んでました。
童話を語り直すというのはまあありがちですし、童話めいた語り口でなにか童話でないことを騙るというのもよくある話で。一本挙げれば竹取物語を翻案した「竹取戦記」か。そこに出てくる「帝」のキャラクターが「少し張り出した顎」と描写されてあーなんとなくあーそーゆーことねーと、まあそんな感じか。全部が全部古典童話の焼き直しではないし攻殻ならぬ「甲殻機動隊」が登場するお話もありでわかりやすいっちゃわかりやすい。最後の一本でこれまでの作品をまとめにかかる構成も広くみられるものだ。
それでこれ第6回ハヤカワSFコンテストの優秀作なんですが、巻末にある各審査員の選評が本書含めてことごとく低評価であの、ほんとうに大丈夫なんですか?と、そこがなんか気になってううううむ。
珍しく装丁を伸童舎が手掛けてた、なんか珍しいなあ…