
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (11) (カドカワコミックスAエース)
- 作者: 安彦良和,矢立肇,富野由悠季
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/12/22
- メディア: コミック
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今回から「開戦編」。表紙で解るとおり士官学校時代のシャア・アズナブルとガルマ・ザビを軸に戦争へと向かっていくジオン公国の姿を描く。対立を深める地球連邦とジオン両国、そしてある人物の暗躍が、それを激化させる…
いや、シャアなんすけど(笑)
シャアとガルマの奇妙な友情は一種同性愛的なものさえ匂わせるようなタッチで、流石にこれはTVシリーズ放送時には例え描きたくとも描けないだろうなとは思わせる。やはり今風なのである。考えてみればゼータガンダムが世に出る以前の「シャア・アズナブル」という人物は別に人類がどうこうなんて思想は持っちゃいなかったような気もするし*1、「亡国の王子が奸臣を討つ為に名を捨て仮面を纏ってかつての母国に潜入する」というのはまあ、大時代的でロマンチックな話ではあるのだ。その点スターウォーズの旧三部作が実に古くさい(伝統的な)物語テンプレートで出来上がっていることと、似ているのかも知れない。
「この裁きの時代に」というのは8巻ジャブロー編でのシャアの台詞で、それを読んだ時には成る程人口が半減して後がない世界(キャラクターは自分たちの世界に「続編」があるなどとは夢にも思わない)ならば納得だと思ったものだが、今回11巻を読んでふと「裁く者は誰なのだろう」と気になる。
果たしてキャスバル・レム・ダイクンはジオン公国の勝利を望んでいたのだろうか?
今回の見所。