- 作者: ラフカディオ・ハーン,ヤン・シュヴァンクマイエル,平井呈一
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2011/07/21
- メディア: 単行本
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いまさら語るまでもない名作を、イラスト目当てで読む。シュールレアリズム絵画やアニメーションで有名なチェコの画家ヤン・シュヴァンクマイエルによる挿絵は実に幽玄ではある。
『怪談』は、伝統的なおばけの物語を伝える日本の本のうち、チェコ語に訳されたごくわずかなものの一冊です。私はおばけが大好きです。こわがることが好きなのです。恐れることでできる「鳥肌」も、私のもっとも鋭敏な触覚のひとつです。それゆえ、私は『怪談』に挿絵をつけるという提案を、ためらうことなく引き受けました。私は自分にとってもっとも身近な技術であるコラージュを選択しました。チェコのおとぎばなしの古い挿絵に描かれるポレドニツェ(真昼の魔女)、ヴォードニク(河童)、ドラゴン、ララーシェク(小鬼)といった伝統的なおばけの姿を探しました。その生き物たちを私は日本の悪霊(ルビ:デーモン)とくらべました。そうしてシュルレアリストたちが「遊戯的結びつき」とよんでいるもの、ふたつのつながらない現実の「錬金術的な」結びつき、そして「痙攣的な美」への噴出へと到達したのです。
まえがきより全文掲載。芸術家が自分の作品について文章で「説明」するのは――特に鑑賞者の想像力に委ねられるような作品では――あまり好きではないのだけれど、最近コラージュって技法は異常に評判が悪いのでww 敢えて意図を掲載してみる。具体的にはチェコの銅版画(かどうかは実は判らないけど、その方が説明し易いw)と日本の浮世絵を合成したものでまーこんな感じです。
↓
どれもヒトのシルエットを切り抜いてそこから化け物が顔を覗かせるようなスタイルです。「錬金術的な」とは言い得て妙で、日本の話を一旦欧米向けに翻訳し、さらにそれが逆輸入的に読まれている小泉八雲の一風変わった立ち位置を彷彿とさせるような面白さがありますね。個々の挿絵がそれぞれの物語とどこまで対応しているのかは、ともかくとして(w;
テキストは恒文社発行の平井呈一訳が用いられています。あまりに有名な書物だけれど「温故知新」とゆーやつで何某かの新しい発見もあることでしょう。
自分にはありました。ラフカディオ・ハーンが「怪談」によせた方のまえがきで…
「雪おんな」という奇談は、西多摩郡調布村のある百姓が、土地に伝わる伝説として、わたくしに語ってくれた話。
調布!? Σ(゚д゚lll)
…いやあ、ちょっと痙攣しましたよ。