複合戦争と総力戦の断層―日本にとっての第一次世界大戦 (レクチャー第一次世界大戦を考える)
- 作者: 山室信一
- 出版社/メーカー: 人文書院
- 発売日: 2011/01
- メディア: 単行本
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「レクチャー 第一次世界大戦を考える」シリーズ。第一次大戦当時における日本の外交方針や参戦までの意思決定などをシベリア出兵まで含めて解説したもの。あとがきにはやや自嘲的に「煩雑で冗長なものとなった」とあるが、この辺全然知らないもので様々な事象に触れられたのは個人的には良かった。
まー「火事場泥棒」と呼ばれても仕方ないような露骨な権益分捕り合戦で、日本の山東半島出兵に対しては「中立国への侵犯」を盾にアメリカが干渉してくる可能性も考慮されていた、というのは何がしか仮想戦記的なネタにはなりそう。でも1914年に日米開戦しても地味な戦争になりそうだナー
青島要塞攻略って実質一週間で成し遂げられて戦死者394人だったのね。なんていうかド田舎の小競り合いみたいな話で、そりゃ収容所でのドイツ兵の扱いも良くなる訳だよなァ…
この時期の話っていま現在の日中関係のスタート地点みたいな意味合いがありますから、多面的に研究されて良いと思います。